10月10日、四半世紀続いてきた、自民党と公明党の連立政権に終止符が打たれ、永田町に衝撃が走りました。

公明党 斉藤鉄夫代表:
「政治とカネ」に対する取り組みは公明党の一丁目一番地、何としても断行するべきもの。首班指名で『高市早苗』と書くことはできない。

結党以来、「クリーンな政治」を掲げてきたという公明党。
これまでは、度々噴出する自民党の「政治とカネ」の問題に直面しながらも、なんとか連立を維持し続けてきました。

しかし、2024年に自民党の裏金問題のあおりを受け、当時の石井代表が落選するなど選挙で大敗が続き、まさに“党存亡の危機”に直面。
ついに、連立離脱という大きな決断をするに至ったのです。

さらに、ジャーナリストの岩田明子氏は、決断するに至った大きな理由として、「高市早苗氏が総裁になったこと」があるのではないかと推察します。

岩田明子氏:
本当の理由は、“高市さんが総裁になった”こと。
「政治とカネ」で規制強化の回答がもらえなかったっていうところをあげていますけど、石破政権の間にいくらでもタイミングはあったわけですし、考える余裕も与えなかったというところも、結論が先に有りきだったのかなと思います。
――自民党内の反応は?
どの政権も、公明党との間で苦労してきたので、これを機に政策や理念と一致するところを組んだらいいと、ポジティブに捉えている人もいます。

今回の公明党の連立離脱が選挙に及ぼす影響は少なくありません。
政治ジャーナリストの青山和宏氏は、「40~50人の自民党議員が落選の可能性があると試算されている」と話します。
連立解消を受けて、首相指名選挙を巡る駆け引きが活発化する中、今後、野党結集となるのか、それとも自民党政権が続くのか。
青山氏は、高市氏には思わぬ“切り札”の噂もあるといいます。

政治ジャーナリスト 青山和宏氏:
(与党の)支持率が高ければ、“衆議院の解散”ということが視野に入ってくると思います。うまくいって単独で過半数を超えちゃえば、もう自民党だけでもいいっていう可能性があります。つまり今より少しでも議席を増やすって方に、勝負をかけてくる可能性があると思います。
新執行部人事発表後から雲行き怪しく…
フジテレビ 松山俊行解説委員長:
4日に新総裁が選出されたときは、自民党関係者も誰もこれを予想していなかったと思うのですが、雲行きが怪しくなってきたのは、4日の直後に自民党・公明党の党首で最初の会談を行ったところ、公明党が連立を続けるための3つ条件を出してきた。
そこに、政治とカネや歴史認識…靖国参拝の問題とか、外国人政策とか。そのうち1つの政治とカネについては、どうやら折り合いがついていない話がだんだん出てきて、その辺りから雲行きが怪しいと思っていたのですが、実際にかなり深刻だという情報が流れてきたのは、7日の新執行部人事を発表した辺りくらいから。

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
あの布陣を見たときに、麻生さんの力で高市さんが総裁になったというのは衆目の一致するところなんですけど、その結果か、麻生さんの力がかなり色合いの濃い人事になったと。
あれを受けて公明党は、「もうほとんど自分たちの方を向いていない」という見方をしたのではないか。どうも公明党が連立維持にかなり否定的な意見を持っているらしいと流れたのが、その日の夜。9日には公明党とのパイプを持っている菅元総理とかに高市さんが面会したのですが、そのときすでに自民党内からは「時すでに遅し」という意見が出ていたので。

――10日の会談前は高市氏は笑顔でしたが
高市さんが自分の周りにいる人が公明党とパイプがないということもあって、あまり公明党の状況についての情報が入っていなかったのではないかという気はします。
会談が始まっても、おそらく話しを週明けまで続けて説得ができるのではないかとみていた節があります。

谷原章介キャスター:
本当に驚きましたけど、でもこれは両方にとっていいのかもしれないなと。自民党は「解党的出直し」と言いながらも、結果、麻生さんの影響力が強くてなんか変わってなさそうだなと。公明党はずっと自民に寄り添うことで、「政治とカネ」の問題については潔白でいたいにも関わらず、ずるずると悪い印象が付いてきた。こういう意味では一回離れるのはいいかもしれないですし。ただ、斉藤代表が「いったん白紙」の“いったん”が気になる。
渡辺正行氏:
いや…驚きましたよね。26年間、連立というものを自公で続けてきていろいろなことがありましたけど頑張ってきて、それで政治とカネが原因で離脱するというと。こういう言い方すると怒られるかも知れませんけど…“熟年離婚”みたいな感じ。いろいろ言いたいことがあるんだけども、積もり積もったことがあって、こういうことになったのかなと。

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
実際に、政府の幹部で今回のケースを“熟年離婚”という言葉を使っておっしゃっている方がいるんですよね。26年間の金属疲労的なものがここで露呈したと。
ただ、総裁選が行われる前くらいまでは、この話そんなに出ていなかったので、やはり『高市新総裁になったこと』これが、大きな引き金になって公明党は一気に舵を切ったという見方が強いです。
小泉進次郎さんが総裁になっていたら、そのまま公明は連立に残ったんじゃないか、自民党の中では多くの人がそういうふうに見ています。
斉藤代表はそのことを否定していますけど、それは“表向き”の言い方であって、「政治とカネ」に最後、集中して折り合えなかったからと説明されていますけども、おそらく、公明党、そして支持母体である創価学会含めて、「高市さんにならないように」というシグナルは総裁選の最中も発していた「保守中道の候補を望む」ということで言っていましたので、あの時点から高市さんになったときのケースは、公明党は考えていたと思います。
(「サン!シャイン」 10月13日放送)