「言論封殺に繋がりかねない」と危機感を訴えました。

憲法学の専門家や弁護士の有志が10日、会見を開き「自衛隊員などへの差別的な風潮を改める」とした県議会の決議に抗議する声明を発表しました。

県議会では8日、「自衛隊などに対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める」とする決議が、野党の自民党や公明党会派の賛成多数で可決されました。

決議は陸上自衛隊に対し、沖縄全島エイサー祭りへの出演を取りやめるよう市民団体が抗議したことに端を発したもので、県議会の与党会派は「決議は県民の意思表明の自由を成約するものだ」と批判します。

10日、県庁で会見を開いた憲法学の有識者や弁護士などの有志は、今回の決議の内容について「言論封殺に道を開きかねず、表現の自由から認められない」との声明を発表しました。

名古屋学院大学 飯島滋明教授:
「差別的風潮」というのが(具体的に)何なのかも分からない。権力者の判断次第でどうにでも変えられてしまうということが、大きな問題として言えるかと思います。要するに、沖縄県議会は県民に対して「正しい理解」という言葉を使っていますよね。正しい理解と協力を求めることであれば、県議会が県民に対して理解しろと言っているようになると、ある意味で思想に関する介入です

名古屋学院大学の飯島滋明教授は「今回の決議は自衛隊に対する抗議活動への認識が歪められ、全国で抗議活動が封じられる恐れがある」と懸念を示しました。

また加藤裕弁護士は、中谷防衛大臣が自衛隊への抗議を妨害と発言したことに抗議する決議案が議会で否決されたことについて批判しました。

(声明に賛同する有志の一人)加藤裕弁護士:
市民の自由、権利の観点からすれば重大な問題なのに、採決状況が逆転されること自体が、今の県議会での人権意識、自由とは何か、人権とは何かを理解していない表れなんじゃないかと

抗議声明には少なくとも138人の有識者や弁護士が賛同しているという事です

沖縄テレビ
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