口の中にできてしまうと食事すら億劫になる口内炎。そんな口内炎治療に役立つ研究結果を、広島大学大学院のチームが発表した。
効果が認められたのは、お茶として活用される一方で「手強い雑草」としても知られる「スギナ」のエキス。これに口内炎の痛みを和らげ治癒させる効果があるというのだ。
研究を手掛けたのは、広島大学大学院医系科学研究科の研究チーム。
研究では、主にハムスターに人工的に口内炎を引き起こし、そこにスギナエキスを塗る実験が行われた。
その結果、ハムスターの口内炎は潰瘍の大きさが縮小し治癒が早まったという。
また、口内炎を発症したハムスターは痛みで食事が困難になり体重が減ったが、スギナエキスを塗布したハムスターは食事を摂るようになり、体重減少が抑えられたことから痛みを和らげる効果もあったとしている。
こうした結果をうけ、研究チームは、スギナのエキスが口内炎の痛みに悩む人たちの新しい口腔ケア製品の開発につながり、口内炎患者の日常生活の質の向上に貢献できるとしている。
春になると河川敷などに顔をだす「ツクシ」。それがいったん枯れて、そこから生えてくるのが「スギナ」。繁殖力が強く防除が難しい「雑草」というイメージも強いが、やがてその効果に救われ、おいしく食事をいただく人も増えることになるかもしれない。