“日本一危険な動物園”として知られ、2005年のオープン以来、20年にわたり営業を続けてきたノースサファリサッポロが30日、閉園を迎えます。

来場客は「動物たちに罪はないので、最後に(子供に)触れ合わせてあげようかなと」と話していました。

園の施設の違法建築問題から端を発し、運営会社が突如決定した閉園。
残された300匹を超える動物たちの行方は今後、どうなってしまうのでしょうか。

帝京科学大学の佐渡友陽一准教授は「お金を払ってでも引き取ってもらうということを考えないといけない」と話します。

午後5時に閉園を迎えた日本一危険な動物園、ノースサファリサッポロ。
10時の開園と同時に多くのお客さんが訪れ、動物たちとの別れを惜しみました。

札幌市内からの来場者:
とても寂しくて、心満たされないところもあるんですけれども、やっぱり最後を見届けたいなという思いで、家族できました。ありがとうという気持ちで締めくくりたいなと。

東京からの来場者:
東京からきました。せっかくなので来てみようと思って、最初で最後という感じですね。

一方の動物たちは、普段と変わらない日常を過ごしていました。

動物たちと至近距離で触れ合えることから、人気を集めた動物園。
その一方で、2024年、アザラシと泊まれるコテージの企画で「動物虐待ではないか」と苦情が殺到、議論を呼びました。

ノースサファリサッポロは、許可が得られなければ開発できない市街化調整区域に、飼育小屋など156棟を無許可で建設。
再三にわたり札幌市から行政指導を受けるも、20年にわたり営業を続けてきました。

そんな中、約半年前、運営会社のサクセス観光が、2029年12月までの撤去方針と閉園を表明したのです。

最後の営業日。
心配されるのが動物たちの行き場所です。

札幌市の立ち入り検査によると、9月5日時点で、まだ319匹の動物たちが園内に残ったままだといいます。

来場者も「ちゃんと引き取り先が見つかってくれれば良いかな」「しっかり透明性を持って、移動を行ってほしいですね」などと話し、心配を募らせています。

運営会社は今後の方針について、「今後の動物たちの受け入れ先についても調整が進んでいる状況です。時間は要しますが、動物たちにできる限り負担のないように細心の注意を払い解決をしていきますので、温かく見守っていただけたらと思います」としています。

閉園後も寄付などを募り、飼育を続けながら動物たちの今後の受け入れ先を探すということです。

専門家は、速やかに動物たちを移動させることが重要としたうえで、高いハードルがあると話します。

帝京科学大学・佐渡友陽一准教授:
特に難しいのは、トラやライオンなどの大型動物です。国内のキャパシティーが元々いっぱいで、受け入れる側にほとんどメリットがないということが予測されるので、“お金を払わないと引き取り手が現れない”という事態があり得るという事ですね。

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。