独自アプリに求人情報も

取材班は、都内でスカウトをしている20代の男性から話を聞くことができた。

現役スカウトの男性:
いまだに取引を続けているお店も多くて、風俗系とかも。残っているお店もかなりあります。地方のお店というのは、やっぱりこっちの東京とか人口の多いところから女の子を紹介してもらわないと、お店そのものが成り立たない店もあるので。SNSや路上で女性の方に声をかけ、風俗系の店を紹介していく。

男性が所属しているのは、国内最大級のスカウトグループでトクリュウとされる「ナチュラル」。そのメンバーだけが与えられるという、あるものを見せてくれた。

「Chat Alpha」と書かれたこのアプリ。開いてみると…。

一見よくあるニュースアプリですが、右下の+マーククリックをすると、なぜか電卓の画面が。記者が数字を入力すると、計算もできる。

しかし、ある数式を入力すると、求人情報があらわれた。

実は、これナチュラルが独自に開発したアプリ。全てのメンバーのスマホにインストールが義務づけられ、内部での情報共有に使われているといいます。

今回、FNNはテレビで初めて、このアプリの全容を撮影した。

その中には、「おはよう逮捕が来たときの対処法」との文面も。「おはよう逮捕」とは、捜査員が朝一番で逮捕令状を持って自宅を訪れることを指す隠語だという。

「ナチュラル」現役メンバー:
捕まらないようにする対策の方法だったり、もし逮捕されてしまったとき適切な対応ができるように、と共有していますね。運営からの通達みたいなものですね。

実際に逮捕されたメンバーによる体験談も見ることができる。

(捕まった体験談)「このたびは自分の仕事への認識の甘さでご迷惑をおかしてしまい、大変申し訳ございませんでした。完全ナンパで声をかけ、LINE交換後スカウトワードを女性(私服警察官)に出したのが決め手になり、後日おはよう逮捕されました」

「ナチュラル」現役メンバー:
体験談を流すと、逮捕されてしまったときに発生する罰金の半額と、弁護士費用を会社の方が負担する。「黙秘しろ」であったりとか、調書にサインしないとか、起訴されないために万全な対策というか。

警察の捜査をあざ笑うかのように活動を続けるトクリュウ。風俗店への紹介以外にも女性を勧誘するさまざまな需要を取り込み、一般企業さながらに規模を拡大しているという。

「ナチュラル」現役メンバー:
キャバクラ系、水商売系、風俗系はもちろんですけど、それをメインに不動産とかもありますし。あと、美容整形クリニックなんかも。幅広くというのがありますね。

この男性によると、グループは1千数百人のメンバーを、赤青緑黄黒の色ごとにチームを分け組織化。さらに細分化された班ごとにリーダーを設け、それぞれ顧問弁護士もいるという。