「ガサが入るとリーク情報」

記者がさらにこのアプリの中を分析すると、ナチュラルによる捜査逃れの決定的な証拠を発見した。

「千葉エリア ガサ情報共有 千葉の4~5店舗に7月13日、14日どちらかでガサが入るとのリーク情報が入りました」

画面には、千葉県内での警察の家宅捜索の予定が記されていた。この投稿から数日後の7月14日、実際に千葉県内の風俗店4店に千葉県警が家宅捜索に入り、関係者数名を逮捕していた。

警察の捜査情報がどうして事前にトクリュウ側に伝わっていたのか。捜査にあたった千葉県警に質問状を提出。千葉県警の捜査幹部は、「投稿や証言を承知していないので、お答えできません」などとコメントした。

捜査の目をかいくぐり、今も悪質スカウトを続けるトクリュウ。一方で、風俗店関係者も結局はスカウトを使わざるを得ない事情があると話す。

風俗店経営者:
スカウトさんにお金払わなければ、女の子ご紹介いただけないので、それこそ売り上げに直結して響くものにはなるんで、それを出さないっていうことは結構難しいかなと思いますね。

警察は強盗や特殊詐欺などさまざまな犯罪に関与しているトクリュウが、悪質スカウトなどを資金源にしていると見ていて、10月から警視庁に全国の200人の専従捜査員を集めて、トクリュウの集中捜査に乗り出すことにしている。

(「イット!」9月29日放送より)

松岡 紳顕
松岡 紳顕

フジテレビ 報道局記者。1991年生まれ。
福岡とカナダで育ち、慶應義塾大学法学部、米アメリカン大学WSPジャーナリズム専攻を経て、2015年に全国紙へ入社。
2023年秋にフジテレビに転職しました。
これまでの担当は、知能犯罪、反社会的勢力、宗教2世問題、農水省、宮内庁など。
現在は25年7月に新設された「調査報道統括チーム」に所属し、報道の新しい形を模索しています。
趣味は冬山登山です。不正を働く公務員や権力者、ヘイトスピーチに関する情報提供をお待ちしております。