<J2第31節 北海道コンサドーレ札幌0-3ベガルタ仙台>
明治安田J2リーグ第31節、北海道コンサドーレ札幌(10位/勝ち点43)は9月27日(土)、大和ハウスプレミストドーム(札幌市豊平区)で、J1昇格プレーオフ圏内争いのライバル・ベガルタ仙台(4位/勝ち点51)と対戦し、0-3の完敗を喫しました。
かつて、サンフレッチェ広島ユースを指揮した仙台の森山佳郎監督(57)は、昨シーズンまで札幌の監督を務めたミハイロ・ペトロヴィッチ氏(67)と2006年から2011年までトップチーム監督とユース監督の間柄。同じくJ1通算247勝をあげた名将から受けた大きな影響を公言する柴田慎吾監督(40)との、いわば同門対決となりました。
「後ろから前の5人にボールが入って、ワンタッチコンビネーションで崩していくのは、『ああ、そうですよね』と」
2-1で札幌が勝利をあげた前節vs徳島ヴォルティス(A)から、ペトロヴィッチ氏のエッセンスを嗅ぎとった森山監督は、「(徳島のように)引き気味にいくとやられてしまう。前から行かないとマズいなと、徳島とのゲームを見て感じた」と、積極的な前線からのプレスを仕掛け、札幌のビルドアップを無効化。その結果、札幌は攻撃の糸口が掴めず、試合を通じてシュート7本、枠内シュートは生まれませんでした。
“勝って知ったる”ねらいを封じられた柴田監督は試合後、「我々のねらいを、上手く消してきたという印象。意図した前進からの突破・崩しに繋げられるシーンが、なかなか少ないゲームだった」と悔しさをにじませた一方で、「J1昇格という目標に、”一希のために”という目的がプラスされた」と残り7試合が、前日に今シーズン限りでの現役引退を発表したMF深井一希選手(30/札幌市出身)の花道を飾るための闘いであると語りました。
クラブ一筋18年目のMF宮澤裕樹「『俺より先に辞めるな』とは言いました」
幾度も大怪我を乗り越えてきた”不屈の男”を笑顔で送り出す意欲は選手にも満ちています。アカデミーの後輩であるMF高嶺朋樹選手(27/札幌市出身)は「寂しい気持ちはありますけど、深井さんが気持ちよく引退できるようにJ1昇格を掴んで、一緒に喜び合って引退してもらいたい」とコメントしました。
また、深井選手が過ごした13シーズンの現役生活すべてを、そばで見てきたMF宮澤裕樹選手(36/伊達市出身)は「チームが難しい状況のときから良い状況のときまで、色んなシチュエーションをともにした仲間。長く一緒にボランチ(でコンビ)を組みましたし、思い入れの深い選手の一人です。残りのシーズン、彼もピッチに立つと言ってますから、彼と一緒にピッチに立ちたい」と、ともにピッチの上で最後の瞬間を迎えることを誓いました。
昇格のため、功労者のため。札幌は並々ならぬ覚悟を胸に、ふたつの至上命題を達成するべくJ2クライマックスへ向かいます。