自治体と企業が一丸となって町おこし。
“あの社長”も盛り上げます。
北海道の最高峰「旭岳」に降り積もった雪解け水。
北海道・東川町は、全国でも珍しい「上水道が無い町」です。
農業用水、生活用水のすべてが天然水で、しかも無料です。
鉄道はおろか国道も通らない町が、2年連続“住みここち全国1位”に。
移住者を呼び込む大きな魅力となっているのが、モノづくりに対する“自治体の手厚い支援”です。
東川町で新たな起業をする場合、補助金を受けられるほか、町が施設を建て、民間に製造・運営してもらう「公設民営」の施設整備を行い、自治体が産業をリードしています。
そして、その特産品の魅力をSNSで全国に発信しようと自ら汗をかいているのが、“イモトのWifi”や“にしたんクリニック”で知られる「エクスコムグローバル」の西村誠司社長です。
自ら撮影の段取りをしたかと思えば、画角まで決めるこだわりようです。
テレビディレクター顔負けの演出で、精力的にロケをこなしていきます。
エクスコムグローバル・西村誠司社長:
ここに来ると自然と笑顔になって、心がおおらかになって活力が出てくる。そんな場所がこの東川町なのかなと思います。日本という国のどこが強みで、他の国にないかと考えた時に、この自然豊かな四季があって、なかなか世界の人に伝わってない。やっぱり僕としては“もったいないな”っていうのがあった。
2025年2月、町が地方創生アドバイザーを西村社長に委嘱。
「地方の良いものを、もっと輝かせて国内外に伝えたい」との思いを胸に、町の魅力を発信しています。
北海道・東川町 菊地伸町長:
西村社長が持つ発信力や、人に対する影響を与える力を東川町の発信力に生かしたい。西村社長がSNSで発信をしてくれた4月以降、東川のふるさと納税が非常に金額伸びてます。
東川町は、大雪山の雪解け水に恵まれた米どころ。
8月末からブランド米「ゆめぴりか」「ななつぼし」などの収穫が始まり、2025年は約1万2000トンが見込まれています。
天然水で育つ「東川米」は、北海道米として初の地域団体商標に登録され、品質・安全性・環境配慮の三拍子が揃ったブランド米として、国内外に展開しています。
米作りをさらにサポートする施設が、9月より本格稼働した「ひがしかわライスターミナル」。
世界初となる害虫の殺虫・殺卵を可能とする精米施設の他、コメ農家が「もみ」の状態で出荷することができる乾燥貯蔵施設も備え、出荷の状態によっては、収穫シーズンの作業時間を約半分から7割近く削減、生産者の負担を大幅に減らせるといいます。
JAひがしかわ・牧清隆組合長:
ふるさと納税はもとより、海外への輸出ということで町と連携をしながら、ますます広げていきたい。
米の価格が高止まりする中、ふるさと納税では「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などの返礼品が人気で、全国からの寄付が“町の財源”と“ブランド力”を支えています。
北海道・東川町 菊地伸町長:
非常に庶民的な感覚も持って、人の心を理解しようとする気持ちが強くて、さらにはこういう小さな東川町みたいな町を、大切に思ってくれるということをすごく感じる。
エクスコムグローバル・西村誠司社長:
民間の力と地方自治体のいいところがうまく手を組んで、この日本の地方の良さを日本の最大の強みにして、この国を元気にしていきたい、(地方創生の)モデルケースになりたい。
地に足着いた自治体の産業支援戦略。
そこに企業トップの発信力と情熱が掛け合わさり、持続可能な地方創生の“ポジティブスパイラル”が生まれています。