列車が来ない時間帯に下校する高校生の利便性向上につなげようと、主に鹿島・太良エリアの高校に鉄道で通う生徒を対象に、バスの運賃を割り引く実証実験が始まりました。

【木村賢勇リポート】
「JRの通学定期券を持つ生徒はこちらの太良高校の目の前にあるバス停から肥前鹿島駅まで、3分の1以下の料金でバスの利用ができます」

JR九州と鹿島市などでバス事業を営む祐徳自動車が共同で実施する「モーダルミックス」
バスと鉄道など複数の交通手段を組み合わせて利用者の利便性向上につなげる取り組みで、九州で初めてとなる実証実験が鹿島・太良エリアで行われています。

【祐徳自動車バス事業部乗合バス部長 山口守さん】
「ちょうど列車がない時間帯に路線バスが3本ぐらいあったんで、うちの方でもご協力ができないかなっていうのが元々のはじまり」

想定される主な利用者は定期考査の期間中に普段より早く下校する生徒たち。
JR長崎本線の肥前鹿島から肥前大浦を含む区間の通学定期券を持っていれば、肥前鹿島駅と太良町の竹崎港をつなぐバスを一律200円で利用することができます。

【男子生徒(鳥栖市から通学)】
「学校が早く終わるとバスか5時台の電車で帰るしかないっす、早く帰りたいからバスの方がいいかな」

沿線の高校のうち、約90人の生徒が登下校で鉄道を利用する太良高校では、25日から1年生と2年生の定期考査がスタート。
この日は午後1時に学校が終わりましたが、徒歩で20分ほどの距離の多良駅から鹿島方面の列車が出発するのは約30分後。

この列車をのがすと約3時間半もの間待つことになるため、迎えに来た家族の車に乗って下校する生徒の姿が目立ちました。

【女子生徒2人(車で帰宅)】
「鹿島駅までしかいかないからちょっとなあみたいな」
Q.どこまで行ってくれれば嬉しい?
「江北とか」

一方、早く帰るためだけではなく厳しい残暑の影響でバスを選ぶ生徒も。

【男子生徒(嬉野市から通学)】
「多良駅まで歩くのが暑いんできょう200円で帰ろうかなって思ってるんでバスで」

【祐徳自動車バス事業部 乗合バス部長山口守さん】
「駅まで歩いていかなくて目の前でバス停乗れたり、それからひょっとしたらご自宅の近くにバス停がある方もいらっしゃると思いますので、そういうところも社会実験ですので色んなことを見さしてもらってっていうことができれば」

午後1時台のバスに乗ったのは5人でしたが、今回の実証実験が生徒の登下校の選択肢が増えるきっかけになればとバス会社も期待を寄せます。

【祐徳自動車バス事業部乗合バス部長 山口守さん】
「たまにはバスとか鉄道に乗っていただければなっていうところで今回はそういう意味できっかけづくり」

実証実験は10月17日まで行われます。

一方この取り組みについてJR九州は「ほかの交通機関と連携して利便性向上につなげることで鉄道の乗客確保につとめたい」としています。

サガテレビ
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