家猫としての生活に慣れてもらいたいと、積極的にスキンシップを取る人もいるはず。しかし田口先生いわく、これは逆効果とのこと。

保護前と同じような接し方を心掛け、時間をかけて信頼関係を構築してほしいそうだ。

慣れてきたら餌やおやつを手であげてみてもいい(画像はイメージ)
慣れてきたら餌やおやつを手であげてみてもいい(画像はイメージ)

「保護猫が“ひとり”になれる環境を作ってあげましょう。例えば、ケージに布をかぶせて薄暗い環境を作ると、視覚的に遮断され、不安や恐怖を軽減させることが期待できます。落ち着いてきたように感じたら、人の手から餌やおやつをあげて、徐々に人に慣れさせましょう」

先住猫がいるなら対面は慎重に

家に先住猫がいる場合、警戒心が強い猫との対面は慎重になってほしいと、田口先生は話す。

「先住猫にとって、新しい猫との生活は強いストレスを感じる要因です。そのため、早期に対面させると、けんかに発展したり、ストレスなどで病気になったりする可能性があります」

目安として、保護してから2カ月は部屋を別々にして接触を避けてほしいそう。その期間で、先住猫はにおいや鳴き声などで、新しい猫が来たことを察するという。

2カ月は部屋を別々に。その後は、猫同士の距離が縮まっていくのを見守ろう(画像はイメージ)
2カ月は部屋を別々に。その後は、猫同士の距離が縮まっていくのを見守ろう(画像はイメージ)

「2カ月ほど経過したら、先住猫を自由に動ける状態にしてあげてください。それぞれの猫のペースにも寄りますが、保護した猫の部屋に先住猫が入ろうとしたりします。そこからは、お互いに徐々に距離を詰めていく様子を見守ってあげてください」

警戒心の強い猫でも、細かな配慮と時間をかけた接し方によって、きっと家猫としての生活に慣れてくれるはず。猫にとって安心・安全な環境づくりを心がけたい。

取材・文=内山直弥

プライムオンライン特集班
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