テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「台風の予報円」についてお伝えする。

季節は秋へと進んでいるが、海の上はまだまだ暑いまま、台風が発生しやすい状態が続いている。今回は台風の予想進路を示す「予報円」について、台風18号と19号が同時に存在していた9月22日の台風進路予想を例に詳しくお伝えする。

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まず台風18号。まっすぐ大陸方面へ進む予想となっていた。現在地の周りには赤い丸(=暴風域)が示されていて、予想進路沿いにほぼ同じ大きさで赤い帯が示されている。24日頃まで暴風域が存在しそうだということを示している。

いっぽう台風19号。予想進路は、北東へ向かうと思ったら北北西へ、さらに西南西へ、さらに北東へと、「どこに向かうのかわからない」予想となっていた。予報円の大きさに注目すると、18号の予報円よりも19号の予報円の方が大きいことがわかる。予報円が大きいとは、どういう意味なのだろうか。

予報円とは、台風の中心が通る可能性が高いエリアの事を表している。つまり、円の大きさが大きいからと言って、台風が大きくなるというわけではない。予報円が大きければ大きいほど、「予想が定まっていない」ということを示している。

〇予報円が大きくなる原因は4つ

予報が定まっていないパターンは「広くばらつく」「方向の誤差が大きい」「速度の誤差が大きい」「進路が分かれる」の4つある。今回の台風19号については、「広くばらつく」パターンと推測される。

詳しい予想進路を見てみる。細い線、1本1本が世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーションの結果を表している。北上すると予想しているものが多いが、中には南下したり、西に向かったり、東に向かったりと、ばらついているのがわかる。

〇その後19号は迷走…

この予報の4日後に、台風19号の進路を確認したところ、予想通りの「迷走台風」となっていた。

22日以降、まずは東から北東へ。ここで西に向きを変えてさらに南西に進んでいる。まさに、4日前の予想通りの迷走台風になっていた。日本付近にないため天気情報で目にする機会はなかったと思うが、後になって確認することも、今後の台風進路図を読み解く一助になるのではないか。

(テレビ宮崎)

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