SFTSという言葉をご存知でしょうか。
わずか1センチほどの小さなマダニにかまれて発症する感染症で、県内では2025年、感染者数が過去最多を更新しています。
身近に潜んでいるマダニからどのように身を守れば良いのか取材しました。
SFTS、正式名称重症熱性血小板減少症候群は、主にウイルスを保有しているマダニにかまれることで発症します。
6日から2週間の潜伏期間の後に、発熱や食欲不振、嘔吐などの症状が出てきます。
またSFTSの場合解熱剤を飲んでも熱が下がりにくい特徴があり、重症化した場合は亡くなる事例も。
◆県健康政策・感染症対策課医師 池辺淑子課長
「2割から3割くらいの致死率と統計で国も言っているが基本的には意識障害、そして全身の臓器に障害が起きて命に関わる、命を落とすようなケースも報告されている」
県によりますと、県内のSFTSの感染者数は2025年に入ってから24日までに13人が報告され、年間の過去最多を更新したということです。
全国でも9月14日までに156人の感染報告があり過去最多となっていて、大分県は全国で2番目に多くなっています。
◆県健康政策・感染症対策課医師 池辺淑子課長
「いつもよりもハイペースで患者の報告が増えていると感じているし、これからもしばらくもう一段階皆さんに注意してもらわないといけない時期だと思っている」
そもそもマダニは野生動物が多い野山のほか畑や公園、道路わきの雑草などさまざまな場所に生息しています。
アース製薬が行った実験の様子です。草むらの上で白い布を数回引きずっただけで10匹のマダニが見つかりました。
では、マダニによる感染を防ぐにはどのようにしたらよいのでしょうか。
アース製薬の担当者は屋外で活動する際になるべく肌の露出を避けるように呼び掛けています。
◆アース製薬生物飼育のマイスター 有吉立さん
「草むらなどに行くと分かっていれば長袖長ズボンを着用してください足元から入ってくる場合が多いので、ズボンを靴下の中に入れてもらうとか、本当に万全の準備をしてほしい」
またマダニに対応した虫よけスプレーも効果的で、足元を中心に吹きかけたり手のひらにスプレーしてから首などに塗ったりするとマダニを防ぐことができます。
◆アース製薬生物飼育のマイスター有吉立さん
「本当にマダニはその辺にいます。吸着するまでマダニは落ち着いたところを探して(体の表面を)歩き回ってるのでシャワーを浴びると流せる場合もあるので外から帰ったらシャワーを浴びるのも有効な手」
ハイキングや紅葉狩りなど野外での活動が楽しい秋の季節を迎えつつありますが、小さな虫にも注意が必要です。