新米の季節が到来し、9月下旬からハナエチゼン、コシヒカリ、いちほまれの順で店頭に並び始めました。
コメの価格は一旦下がったものの、再び高値で推移。農林水産省は価格上昇の要因として、随意契約による備蓄米の販売減少や新米が出回ったことを挙げています。
9月8日から14日までの全国のスーパーで平均価格は5キロで4275円と3週連続で上昇し、今年5月につけた最高値4285円に迫っています。福井県内でも、この全国の傾向と同じように高値水準が続いています。
佐々木拓哉アナウンサー:
「こちらのスーパーでは、新米の時期に合わせて特設コーナーが設けられています。その価格は5キロで税込5700円を超えています」
福井市のAコープやしろ店では、8月下旬にハナエチゼン、9月からコシヒカリ、5日前にはいちほまれの新米の販売が始まりました。
店の担当者によりますと、現時点での新米の量は例年並みですが、販売価格は去年より3割から4割ほど高いということです。
その要因の一つとしてコメの集荷競争が激化していることにより、JAが生産者に前払いする「概算金」が大幅に引き上げられたことが挙げられます。
Aコープやしろ店の山上剛副店長は「集荷段階で農協の概算金などが結構な額になっていて、卸売業者からその値段で入ってくるので仕方がない」と話します。
この状況でも、新米を手に取った人に話を聞いてみるとー
「昔は1万円で30キロ買えたけど、そんなこと言ったってコメを食べないわけにはいかないから」
「ちょっと価格が上がってるかな。高くてもおいしいのがいい」
(買う基準は?)「10キロで8000円くらいかな。農家は少しでも高い方がいいし買う方は少しでも安い方がいい。けどちょっと高いかな」
一方で価格高騰に理解を示す声もー
「そりゃ安い方がいいけど農家が大変でしょ。機械が何百万円とするからそれは仕方ない」
生産者と消費者の間に立つ店側は、複雑な胸の内を明かします。
Aコープやしろ店・山上剛副店長:
「農家からすれば妥当な値段になったという思いもあるし、消費者からすれば例年より高く馴染みの価格にならない、というもどかしさがある」
現時点では、今後出回るコメの量や価格の推移は見通せない状況。日本の食卓の主役「コメ」の価格動向が注目されます。