日本国内でマグロの産地といえば青森県の大間などが有名ですがキンメダイの水揚げ量が日本一を誇る静岡県の下田でもマグロが獲れることはあまり知られていません。
下田市の沖合約10kmの場所にある神子元島付近で獲れた重さ37kgのキハダマグロ。
割烹民宿「小はじ」小川浩史さん:
今度は本マグロが釣れるんだよね?
大了丸・長谷川大知 船長:
本マグロも大きい。ここ(神子元島付近)の本マグロ。(Q.大きくてどれくらい?)300kg。去年揚げたので一番大きいのが250kg
実は神子元島周辺では毎年、全国の名だたる産地にも負けないクロマグロやキハダマグロが獲れると言います。
しかし…。
割烹民宿「小はじ」小川浩史さん:
漁師に聞くと下田で水揚げされているけれど、豊洲や沼津とかに持って行っているみたい。生の天然の本マグロは下田で“下田産”と言って出したい
大了丸・長谷川大知 船長:
下田の市場では買えない。仲買が少ないので卸しても安くなってしまう。だから流通しない。豊洲の方が高い値段で売れるので、どうしてもみんな豊洲の方に送るようになってしまう
こうした状況に下田市で寿司店を営む植松隆二さんも頭を悩ませています。
寿しらぼ三◯二・植松隆二さん:
地元に卸すよりも漁師も豊洲に卸した方が値が付くということでなかなか回ってこない。(Q.地元のマグロを使いたい?)豊洲から取り寄せたこともある。せっかく下田で獲れるものなので下田で消費出来たら良いと思う
割烹民宿「小はじ」小川浩史さん:
(豊洲に卸すと)輸送費もかかりその分値段が上がってしまう。地元でさばければそんなに高く(ならない)漁師も卸す先も少しは(コストを)抑えられるし買い手も豊洲から仕入れるよりは安い。ということは下田に来るお客さんは東京などで食べるよりも安くおいしい新鮮な生の(マグロを)食べられるのでめちゃくちゃメリットがある
そこで、地元の宝を多くの人に味わってもらおうと割烹民宿を営む小川浩史さんなどが中心となって9月20日に下田でイベントを開催。
オープニングを飾ったマグロの解体ショーには、大了丸の長谷川大知 船長があの37kgのキハダマグロを無償で提供し、約300人に握り寿司や刺身が振る舞われました。
来場者:
いただきます。おいしいです
来場者:
(下田のマグロを)もっとアピールしたい。息子が(寿司を)握ったので余計においしい
来場者:
みんなに知ってもらいたい。(下田に)おいしいマグロがあると
割烹民宿「小はじ」小川浩史さん:
みんな本当に喜んでくれて下田も捨てたんもんじゃないとうれしい。これで(下田の)マグロのことを少しでも知ってもらえたら
小川さんは今後漁協や市内の飲食店宿泊施設などと連携し、下田産のマグロを地元で食べられるような取り組みを加速させたい考えです。