秋田市が2025年度で廃止する公共施設4カ所のうち「老人いこいの家」の維持管理費が、1カ所当たり年間で約1600万円に上っていることが明らかになりました。
秋田市の貯金にあたる財政調整基金と減債基金の主要2基金の残高は、2025年度末で約10億円と厳しい財政状況が見込まれています。
こうした状況から、秋田市は財源確保に向けて市が保有する施設の見直しを進め、八橋・大森山・飯島地区の「老人いこいの家」と「雄和ふれあいプラザ」の4つの施設を、2026年3月末で廃止する方針を示しています。いずれの施設も老朽化による改修などで多額の費用が予想され、利用者数も著しく減っています。
24日の市議会厚生委員会で、市側から「老人いこいの家」の維持管理費が、1つの施設で年間約1500万~1600万円に上っていることが明かされました。
委員からは「まとめて廃止する必要があるのか」「高齢者に優しい都市『エイジフレンドリーシティ』を掲げながら、高齢者を切り捨てる施策ではないか」といった意見が出されました。
これに対し、市の担当者は「市の他の施設でも、心身の健康増進などの目的を果たせる」と理解を求めました。
市は、10月から利用者に説明し、2026年の2月議会に施設を廃止する条例案を提出する方針です。