玄海原発上空で3つの光が目撃された問題で、佐賀県警は「航空機の光をドローンと勘違いした可能性が高い」との見解を示した。しかし「ドローンの可能性を完全に排除できない」としていて、その正体は謎のままだ。

“謎の3つの光” 現在も捜査中

玄海原発では今年7月26日午後9時ごろ、玄海原発の上空にドローンと思われる3つの光が確認されたとして、九州電力は原子力施設の運転に影響を及ぼすおそれがある「核物質防護情報」の通報を行った。

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ドローンは発見されておらず、現在も捜査が行われている。

「航空機と勘違いした可能性が高い」

この問題について、佐賀県警の福田英之本部長は9月19日に開かれた佐賀県議会の一般質問で次のように答弁した。

佐賀県警察本部 福田英之本部長:
現時点においては警備員が目撃したとされる光については、当時玄海原子力発電所の周辺上空を飛行・旋回していた航空機の光をドローンによるものと勘違いした可能性が高いものと考えております

福田本部長は、3つの光の色が航空機の発光パターンと同じであることや、光が目撃された時間帯に複数の航空機が周辺を飛行・旋回していたこと、目撃された光の時刻や方向、飛行ルートが航空機の軌跡と矛盾しないことなどを明らかにした。

その結果、「ドローンと勘違いした可能性が高い」と判断する一方で、ドローンである可能性を完全に排除できないことから、玄海原発とともに周辺の警戒を強化し、あらゆる可能性を視野に捜査を継続するとしている。

また、これまで玄海原発と協同で行ってきた訓練に加え、夜間にドローンを飛行させてその対処を行なうなどの実践的訓練を検討しているという。

「今回に限り必要な限度で説明した」

福田本部長は議会後、報道陣の取材に対し次のように述べた。

佐賀県警察本部 福田英之本部長:
本件は捜査中の案件ですので、通常捜査中の事案については経過などに関して公表することは差し控えております。ただ、本件については飛行物体がドローンであるか否かも確認されていない中、不安を感じておられる方々が少なからずおられることに鑑みまして、今回に限り必要な限度で説明させていただいたところであります

佐賀県警察本部 福田英之本部長
佐賀県警察本部 福田英之本部長

また佐賀県の山口知事は、「特定・確認できたわけではないので、これを機に原発は何よりも安全が第一で、その空域が侵されるということはあってはならないことなので、まさにこれを機に事業者と各治安機関が連携して、さらなる対策強化というものに取り組んで頂きたいという気持ちには変わりありません」と述べた。

佐賀県の山口知事
佐賀県の山口知事

一方、九州電力は「航空機と勘違いした可能性があることは承知しているが、捜査に対しコメントする立場にない」とした上で、「引き続き佐賀県警に協力して安全に運転していくために緊張感をもって核物質防護に適切に対応していく」としている。

サガテレビ
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