これから資産形成を始めるなら“安定の貯金”か“伸びしろの株”か、それとも“金”か。物価の上昇や円安など将来への不安が続くいま、”金”という選択肢が注目されています。売り時なのか、買い時なのか、取材しました。

▼株式、金、貯金…どれを選ぶ?

田島嘉晃アナウンサー:
「街ゆく人たちは、これからの資産形成をどう考えているのでしょうか?株式・金・貯蓄、この3つのどれに力を入れたいかを聞いてみます」
  
株式派の声:
「このまま順調に上がってくれればいいが、結局長期で保有する前提なので、ちょっと下がってもいいかな。物価も高いので現金で置いておくよりはいい」
「子供たちの学費に充てたい。最近インフレがすごいのであまり貯蓄は意識していない。現金の価値が目減りしている」
「安くても伸びそうな株があるかもしれない。年金が十分にもらえるか分からないから、 自分で老後のために株式をしている」
 
日経平均株価は、このところ史上最高値を更新。市場には今、“株で増やす”という選択を後押しするムードも高まっています。

▼金の価格高騰も“買う”人が増加

そんな中、こんな声も―
  
「ゴールドほしいですね。金は高くなっているし、あまり価値が下がらないイメージがある」
  
金の価格はここ数年、じわじわと上がり続けてきました。24日現在の価格は1グラムあたり1万9808円で、これまでの最高値を更新しました。
 
アメリカの利下げが意識されていることや円安も後押しし、金を買う動きが強まっているのです。

福井市開発にある老舗ジュエリーショップ「TAKEUCHI BRIDAL 福井・開発本店」を訪ねました。
 
田島嘉晃アナウンサー:
「美しく輝く金のネックレスは、2年前まで60万円ほどだったといいますが、今は120万円と、ほぼ倍の価格になっています」
 
甲斐章悟マネージャーは「金の価格高騰で買い控えが予想されていたが、むしろ需要は増えている。感覚としては1年前の2倍以上の客が訪れている」と話します。
 
“身近に置ける資産”また、「将来への備え」として、金の価値を見直し選ぶ人が店を訪れています。

甲斐マネージャーは「現金で銀行に預けていてもどうしようもないと、確実に上がりそうな金に変えている人が多いのが現状。金塊の取り引きはもちろん、金製ネックレスなどを身につけながら資産を金に変える形で楽しむ人も多い」と話します。
 
気になる“これから”についても甲斐マネージャーに聞きました。「緩やかに上昇していく可能性が高いが、専門家でも判断は難しい。一般的には、戦争やテロ、インフレで金相場は上昇する。アメリカ経済の安定では下がると言われているので、長期的に見れば“確実に上がる”可能性が高く、世界的にも“買い”の傾向が強い」

▼金を“売る”人も2~3倍に

一方で、“今が売り時”と見て動く人も。買取業者の「おたからや 福井アピタ大和田店」では、ここ最近、来店者が急増しているといいます。
  
内山和修店長は「8月末ぐらいから来店者数が増え、普段の2倍から3倍に増えている」といいます。
 
店に持ち込まれるのは、金製の思い出の品や使わなくなったアクセサリーなどで「つけなくなったアクセサリーや石が取れてしまった指輪、ネックレスなどの持ち込みが多い」と話します。
 
今後の価格の見通しについては「金の価格上昇がいつまで続くのか正確なことは言えないが、(売るなら)なるべく早い方がいいのでは」としています。
    
金のアクセサリーを持っている人は、今売ってリターンを得るのか、そのまま持ってさらなる価格の上昇を待つのか。
 
おたからやの内山店長によりますと、実際に持ち込まれるのは“つけなくなったアクセサリー”や“石のとれた指輪・ネックレス”が多いとの事。形が綺麗に整っていない切れたネックスレスなども「金である」というのがポイントだといいます。

福井テレビ
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