福岡市で去年8月、車を運転中に路線バスと正面衝突し娘2人を死亡させたとして罪に問われている母親に対し、福岡地裁は24日、禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
判決を受けたのは太宰府市の無職、古賀千尋被告(33)です。
起訴状などによりますと古賀被告は去年8月、福岡市早良区東入部の国道で乗用車を運転中、カーナビ画面を脇見して中央線をはみ出し、対向車線を走っていた路線バスと正面衝突し、バスの運転手や乗客合わせて4人を負傷させたほか車に乗っていた当時7歳と5歳の娘を死亡させたとして過失運転致死傷の罪に問われていました。
娘2人はシートベルトを着用していましたが、チャイルドシートは使っていませんでした。
裁判で古賀被告は起訴内容を認め、検察側は「カーナビに目を向ける必要はなく、当然守るべき注意義務を守らなかった」などとして禁錮4年を求刑しました。
一方、弁護側は寛大な処分を求め、論告求刑公判で古賀被告は「けがをしたバスの運転手や乗客の方に本当に申し訳ないことをした」と謝罪しました。
福岡地裁で24日に開かれた判決公判で今泉裕登裁判長は「前方左右を注視して適切な運転操作をするという最も基本的で重要な義務を怠り、カーナビを見て脇見運転をしていた」と指摘しました。
一方で「自らの不注意で最愛の2人の我が子を失い、自責の念や喪失感にさいなまれている」などとして古賀被告に禁錮3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。