俳優の清水尋也容疑者(26)が乾燥大麻を所持した疑いで逮捕された事件で、アメリカ・ロサンゼルスの留学中に初めて大麻を吸った時の状況が明らかになった。初めて大麻を吸ったのは、語学留学中に招かれた「ホームパーティー」。英語を学ぶために渡ったロサンゼルスで、合法の空気に流されるように手を伸ばしたのが始まりだったという。

ロサンゼルス語学留学で初めて使用

清水容疑者は9月3日、自宅で乾燥大麻を所持していた疑いで逮捕された。家宅捜索では、自宅のテーブルの上に袋に入った乾燥大麻や吸い殻などが平然と置かれていたほか、逮捕後の調べに「月に数回ペースで吸っていた」と話していることから、警視庁は常習的に大麻を使用していたとみて捜査している。

清水容疑者は俳優として活動するなかで、20歳のころにアメリカ・ロサンゼルスに3カ月間の語学留学に行っていた。

「2018年に公開された映画で、英語が話せないことが理由で出演シーンが削られて悔しくなり、事務所にお願いして3か月語学留学でアメリカに行った」

調べの中で、大麻を初めて使った時のことも答えているという。

「大麻を初めて吸ったのは留学に行ったとき。同級生のホームパーティーで外国人が大麻を回し吸いしていて、『お前も吸うか』と誘われ、ヒップホップに興味があった私は大麻に抵抗感もなく、カリフォルニア州では合法だったため、経験だと思って吸った」と話している。

初めて吸った時は大麻の効能が感じられなかったというが、2回目には「大麻を吸って10分後くらいにじわじわと頭がぼーっとしてきて座った時に体が沈む感じになり、流れている音楽の楽器の音を聴き分けられるくらい聴覚が研ぎ澄まされ、食事もいつもより格段と美味しく感じる状態になった」と効能を感じて、留学中に繰り返し吸うようになったという。

「吸った時の高揚感を味わいたかった」

清水容疑者は語学留学を終えて、日本に帰ってきてしばらく経ってからまた大麻を吸い始めた。そのきっかけについて「アメリカで大麻を吸った時の高揚感、リラックス感を味わいたいなと思ったから」と話している。

さらに、「稼ぎが多くなった24歳ごろに大麻の量が多くなり、今年に入ってからは月に数回ペースで吸うようになった」と話し、留学での大麻の経験をきっかけに現在まで大麻をやめることができず、逮捕されてしまう状況に至った。

若者への蔓延は深刻化

清水容疑者のように、大麻が合法な国や地域で初めて大麻に手を出して味を占め、日本に戻ってからも大麻に手を出してしまう人は少なくないという。ある捜査関係者は「向学心のある学生が欧米などへの留学で大麻を覚えてきて、留学中だけにとどまらず日本で吸ってしまう状況に陥りやすい」と指摘。「大麻は依存性があり健康面に悪影響を及ぼすほか、効能が足りなくなってきて覚せい剤などのハードドラッグに手を出してしまう危険性もある」と強調する。

2024年に大麻で摘発された人のうち、20代以下が7割以上を占めるなど若者への蔓延は深刻化している。留学先などで軽い気持ちで大麻に手を染めて、未来を閉ざしてしまうことのないよう、周りに流されずに薬物を絶つ強い意志が必要である。

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