お墓参りやお墓を継ぐことが難しかったりすると、次第に考え始めるのがお墓の行く末、「墓じまい」や「改葬」だ。

しかしどちらを選択するにしても、手続きや費用などはかかる。また、トラブルを招かないように家族や親族との話し合いも大切になる。

相続に詳しい曽根恵子さんが監修した『家じまい・墓じまい・相続[図解]実家問題がすべて解決する本』(扶桑社)から、墓じまいや改葬する際にするべきことと、話し合いのポイントについて、一部抜粋・再編集して紹介する。

墓じまい・改葬はやること山積み

墓じまいをしたいと思っても、決めなければならないことや、しなければいけないことが多く、決断しにくいことでしょう。

順番に1つずつ片づけていきましょう。

墓じまいをするにしてもやることは多い(画像:イメージ)
墓じまいをするにしてもやることは多い(画像:イメージ)
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まずは、完全に墓じまいするのか、それとも遺骨を移す改葬にするのかを家族や親族と話し合って決めなければなりません。移す場合は、引っ越し先も決める必要があります。

墓じまいも改葬も、さまざまな手続きが必要になります、もし、そうした手続きや、古いお墓の処分や新しいお墓探しなどが面倒なら、代行サービスなどもあるので、利用を考えてみるのも悪くありません。散骨や手元供養の場合も、手続きは必要です。

費用も考えながら、自分がいちばん望む形の供養を選びましょう。

「改葬」「墓じまい」2つの選択肢

代々のお墓を引き継がない場合は、大きく分けて2つの選択肢があります。よく話し合って決めましょう。

『実家問題がすべて解決する本』から抜粋
『実家問題がすべて解決する本』から抜粋

【墓じまい】
・合葬タイプの永代供養墓に遺骨を納める
・合葬タイプの納骨堂や樹木葬にする
・海などに散骨する
・家に遺骨を置いて手元供養する

【改葬】
・遺骨と墓石、お墓のすべてを移す
・遺骨だけを新しい墓に移す
・納骨堂に入っている複数の遺骨の一部を移す
・遺骨の一部を「分骨」して移す

墓じまいをすると決めたら、次に決めないとならないのは、いままでの墓に入っていた遺骨をどうするかということです。それについては、2つの選択肢があります。