9月22日、戦いの火ぶたが切られた自民党の総裁選。
午後1時。麻生太郎最高顧問、岸田文雄前首相、菅義偉副総裁、カギを握るとされるキングメーカーが姿を見せる中、候補者5人そろって最初の演説会が開かれました。

5候補が独自色アピール

まず登壇した小林鷹之元経済安保相(50)が訴えたのは、経済安全保障。

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小林鷹之元経済安保相:
私の強みは0から1を生み出すことです。
子育て世代を含めた現役世代が自由に使えるお金を増やします。控除のありかたは税率構造を見直し、中間層や現役世代をしっかりと後押ししていく税制改革を行います。

続く茂木敏充前幹事長(69)が訴えたのは、成長戦略について。

茂木敏充前幹事長:
私が提唱する成長戦略を実現すれば、確実に年収は上がっていきます。1年で3.5%、つまり、3年で1割給料が上がる。50万円平均年収が上がり500万円を超える。こういう状況を一日も早く作ってまいりたいと考えています。

3度目の挑戦となる林芳正官房長官(64)も「国民の給与」についてこう訴えました。

林芳正官房長官:
実質賃金を1%ずつ上昇させていく、これを定着をさせる。団塊ジュニアがすでに後期高齢者になりつつあります。2040年代、それまでに強い経済と強い社会保障、これをしっかりとやっておかなければ、間に合わなくなります。

続くのは、高市早苗前経済安保相(64)です。
「高市早苗 奈良の女です」と挨拶を終えると…。

高市早苗前経済安保相:
高円の 秋野の上の朝霧に 妻呼ぶ雄鹿 出で立つらむか…

突然、万葉集の和歌を高らかに詠みあげた高市氏。その理由について…。

高市早苗前経済安保相:
奈良の鹿をですよ!足で蹴り上げるとんでもない人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているもの。わざと痛めつけようとする人がいるんだとすれば、皆さん、何かが行き過ぎている。そう思いませんか?古来の伝統を守るために体を張ります。
日本をいま一度洗濯します。

「外国人政策」に取り組む決意をみせました。

最後に登壇した小泉進次郎農水相。

小泉進次郎農水相:
我々に課されている使命、それは自民党を立て直すこと。
そして、ここにいる全員で、みんなで立て直すことだと思います。私は初当選の直後「解党的出直しが必要だ」と述べたことを今でもはっきりと覚えています。

自民党が野党になった時と同じく、再び「解党的出直し」を掲げた小泉氏。その上で、こう訴えました。

小泉進次郎農水相:
まず私が総裁として優先することは、物価高で生活が苦しいという国民の誠実な声に向き合い、国民の暮らしに安心と安定を取り戻すことです。

ついにスタートした総裁戦。新たな自民党総裁は10月4日に決まります。

世論調査では高市氏・小泉氏が拮抗

FNNの世論調査では、「次の自民党総裁にふさわしい人」として、全体でトップが高市氏28.3%。次いで小泉氏が25.7%でしたが、自民党支持層に限ると、小泉氏が35.2%でトップに。次に高市氏22.5%となっています。

次期総裁の評価で重視する点については…。

・リーダーシップや実行力 42.2%
・掲げている政策や政治理念 26.2%
・経験や実績 9.2%
・人柄や年齢 6.5%

岩田明子氏:
この2人(高市氏・小泉氏)を軸に戦いが進められていくと思いますけれども、全体で見ると高市さんの方が支持が高いですけれども、自民党支持層にするとひっくり返っている。
これは以前高市さんを支持していた保守系の党員が抜けたからというところも影響していると思うんですね。
そうするとこれまでの総裁選よりも党員票の伸びというのは高市さんは非常にここに力を入れて戦いを進めていくと思いますけれども、2024年よりはこのコアの支持層が減っている分、そこが厳しいのでそこも含めた戦いをということになりますね。
今は小泉さん議員票もかなりの数を獲得していて、22日の立会演説会に参加した議員も非常に多かったですから、議員票党員票と両方とも小泉さんは獲得していますので、非常に安定した戦いを進めています。
今後討論会が始まると、ここの討論が非常に得意な高市さんが伸びてきますので、最後こことの攻め際になってくる。

出馬会見での注目の政策は物価高対策

小林元経済安保相「時限的な所得税の定率減税で現役世代応援」
茂木前幹事長  「数兆円規模の『生活支援特別地方交付金』」
林官房長官   「実質賃金1%程度の上昇の定着」
高市前経済安保相「『給付付き税額控除』の制度設計への着手」
小泉農水相   「2030年度までに平均賃金100万円増」

フジテレビ 高田圭太政治部長:
22日の演説会でも成長戦略については皆さん同じこと言っていて、言い方が違うだけっていう。
そこのところが実は共通で、あとは給付付き税額控除だったり定率減税だったり、いわゆる国民民主党の所得減税のそういったところのスタンスの違いが微妙に違うので、そこが今後さらに際立っていくかどうかというところは注目しています。

谷原章介キャスター:
野党との連携はどんな可能性が考えられますか?

高田圭太政治部長:
比較的あまり詰めないでこの総裁選は乗り切りたいなというふうに見えますけれども、それぞれ強み、パイプというのはアピールしつつも、やっぱりここで決めつけたくないという思いは見て取れます。
今、政策の討論の方で小泉さんとかがいかに今後失点するかしないかというところに各陣営注目が集まっていると。
小泉陣営は今、党員票でいい勝負をすれば議員票で有利になるというふうに陣営では見ていて、リードしているある陣営の議員はしっかりそこは守りの野球をして、失点しないことが大事だというふうに言っていましたので、それを貫けるかどうかというところですね。

(「サン!シャイン」9月23日放送より)