盾を持った警官隊に飛びかかる人々。
フィリピンで行われたデモで、参加者が警察と衝突しました。
21日、フィリピンの首都マニラなどで約6万人が参加する大規模なデモが行われました。
腐敗した政治家を象徴する「ワニ」を用いて訴えたのは政治家の汚職疑惑です。
台風などの影響により洪水が頻発しているフィリピン。
洪水対策として、国が予算を支出していたにもかかわらず、事業は進んでいませんでした。
そうした中、使われるはずの予算が政治家に流れているとの疑惑が浮上し、国民は不満を募らせました。
さらに2025年7月、マルコス大統領が自身の調査によって疑惑が明らかになったと主張すると、これが国民の怒りに火に油を注ぐ形となり、大規模なデモに発展したとみられています。
デモ参加者は「私たちは貧困にあえぎ、家や命、未来を失っているのに、彼らは私たちの税金で高級車や海外旅行、大きな企業取引で巨額の富を得ているのが悔しいです」「私たちは政府に対し、この汚職に関与した全ての人物に責任を取らせるよう求めています」と話しました。
デモは当初、平和的に行われていたものの、次第に一部の参加者が暴徒化。
警官隊に対し物を投げ、車両に火を付けるなどの行為にエスカレートしました。
これに対し警官隊は、放水車などを使い制圧へ。
現地メディアによると、この衝突で、車両に火を付けるなどした疑いで17人が拘束され、約70人がけがをしたということです。