岡本さんによると、ボンベの保管場所として望ましいのは、次の5つがそろった所。
(1)周辺の温度が40℃以下
(2)湿気が少ない
(3)ホコリが少ない
(4)子供の手が届きにくく、見えにくい
(5)大人の腰の高さよりも低い
まず重要なのが室温だ。高温になる環境に放置すると劣化が早まり、熱くなりすぎた場合は破裂や爆発するリスクも出てくるので、40℃以下の場所に置いてほしいそうだ。

「暖房機器や(キッチンなどに付属している)ガスコンロの近く、直射日光が当たる場所、車中などは避けましょう」
次に湿気もまた、ボンベの大敵。
「湿気がこもりやすい場所に保管すると、水分によってさびを誘引するほか、ゴムパッキンが劣化して、ガス漏れの要因になります。湿気と水気が少ない場所を選んでください」
ホコリや子供のいたずらにも注意
ホコリがたまった場所にボンベを放置すると劣化を早めるほか、ガス漏れしていた場合、コンロへの装着時に引火する危険もあるという。
「なるべくホコリがたまらない場所で保管するのが肝心です。たまっていたら、使用前に拭き取ってください」

このほか、子供が誤って触ったり遊んだりすることでも事故のリスクがあるので、手の届きにくい場所を選んでほしいという。
「高い棚などに保管するのはNGです。地震が起きた際に落下して破損し、漏れたガスで火災を引き起こす可能性もあります。高くても“大人の腰ぐらいまで”で保管してください」
存在を“忘れない”場所に備えよう
では、岡本さんが考える適切な保管場所はどこなのか。日常的に使うことが多い、リビングの戸棚やキッチンのパントリー(調理器具などを収納する場所)がお勧めという。
「食器や日用品などと、一緒に保管することを勧めます。ボンベの存在を忘れにくいですし、使用期限や見た目の異変も確認しやすいです」

逆に避けてほしいのは、押し入れや流し台の下。湿気がこもりやすく、ボンベの存在を忘れてしまうことも多いそうだ。
ちなみに、適切な場所であれば、ボンベの置き方は自由。横向きにしても問題はないが、落下しないように注意してほしいという。
「屋外の物置きなどは、気温や湿度の変化が激しくて劣化が進みやすい上、置いたことも忘れやすいです。くれぐれも保管しないでください」