2年前、小国町でクマの駆除の際に同行者の誤射により大けがをした男性が、町に損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が開かれた。町は請求の棄却を求め争う姿勢を示した。
訴えを起こしたのは小国町の40代の男性。訴状などによると、男性はおととし4月、公務でツキノワグマの駆除に参加した際、別の男性が発砲したライフルの弾を受けた。弾は右ひざに当たり、男性は骨折などの大けがしたほか、後遺症が残ったことで日常生活に支障が生じたという。
発砲した男性は、周囲の確認義務を怠ったとして狩猟免許がはく奪され、去年5月に業務上過失傷害の疑いで書類送検されたが不起訴処分となっている。
国家賠償法では、公務中に発生した損害の賠償責任は自治体が負うとしていることからけがをした男性は、小国町を提訴。16日の裁判で原告側は、けがにより定年を迎えるまでの労働能力の70%を喪失したと主張し、賠償金として町に3000万円あまりの支払いを求めた。
これに対し被告側の小国町は請求の棄却を求め争う姿勢を示した。次回の裁判は11月18日に行われる。