県内では今年に入り、クマの目撃情報がすでに過去最多を更新する異常事態となっている。今月から市町村長の判断で発砲が可能となる緊急銃猟が始まったことを受け村山市で初めての研修会が開かれた。
初の研修会に参加したのは、村山市の住民組織にあたる地域まちづくり協議会や警察、そして猟友会などおよそ70人。この会は、今月施行された改正・鳥獣保護管理法により、市街地に現れたクマなどに対して発砲を可能とする「緊急銃猟」について学ぶのが大きな目的。
「緊急銃猟」とは、1)クマなどが市街地などに侵入するおそれがある。2)緊急性がある。3)銃以外では捕獲が困難。4)住民に弾丸が当たるおそれがない、という
4つの条件を満たす場合に限り市町村長が発砲を許可する新制度だ。
会では、「緊急銃猟」により、もし人的被害が出た場合でも、発砲したハンターの責任は問われないなど、国の見解が紹介された。
出席者からは「クマを撃つ人の責任がこれまで以上に重くなり、猟友会の間でもクマを撃つ、なり手がいない」という声や、「緊急銃猟で人的被害が出てもハンターの責任は問わないというが、国の回答があいまいで解釈がしにくい」などの不安の声も上がった。
(県みどり自然課佐藤実課長補佐)
「緊急銃猟を円滑に運用していくためにはいくつかボトルネック(障害)になるところが市町村ごとに違ってあるが、一つ一つ解消していくしかない」
研修会では、8月末の時点でクマの目撃件数が933件に上り、記録が残る2003年以降すでに過去最多を更新したことや、クマによる人的被害が今年5件起きている現状も報告された。
村山市は、今回の研修会をもとに市街地にクマが出没した際どうするかの態勢作りを急ぎたいとしている。