土地取引の基準となる地価の調査結果が発表されました。住宅地の変動率は17年連続でマイナスですが、利便性の高い地区は高騰。静岡県静岡市の市街地ではマイホーム購入が難しくなっていく懸念もでています。
県によりますと、2024年の価格と比較した地価の平均変動率は商業地は2年連続、工業地は4年連続で上昇しました。
一方、住宅地の平均変動率は17年連続で下落しています。
県内でもっとも高い価格となったのが葵区呉服町の商業地。
1平方メートルあたり148万円、37年連続でトップです。
また、葵区鷹匠の2つの商業地が変動率上位5地点に入っています。
こうしたブランド力の高い商業地の周辺では住宅地も価格が高騰。
特に静岡市街地は顕著で、専門家は今後への懸念も口にします。
不動産鑑定士・芝口直樹さん:
かなり価格が上振れしてきているので、どこかのタイミングで”買えない”ということが起こる可能性が当然ある
地元の不動産仲介業者に土地や物件の売買のトレンドを聞いてみると…
アイワ不動産・三好哲平さん:
駅から近いところはやはり土地(の値段)が上がり続けているので「家を買えない」という話も徐々に出てきている印象。(新築マンションは)低くても7000~8000万円。(Q.高いと億?)いわゆる億ションですね。ご購入希望の方は経営者や医者で、駅周辺で本当に利便性のいいところでタワーマンションを買いたいという声をもらう
駅前や商業施設の周辺はすでに多くの人にとって高嶺の花に。
鷹匠エリアでは土地の相場は右肩上がりで、10年前は坪単価100万円を切っていましたが、現在は150万円~200万円になっているといいます。
首都圏の新築マンションが平均価格1億円を超える中、今後、静岡駅周辺でもいわゆる「億ション」が増えることが予想され、その影響は近くのエリアにも。
鈴木櫻子 記者:
住宅地の地価の上昇率がトップとなった葵区城東町です。駅から徒歩15分ほど、比較的落ち着いたこうしたエリアでも今土地の値段が上がり続けています
葵区城東町の変動率は4.5%。
1平方メートル価格は2024年より1万円高い23万円でした。
また、変動率上位5地点のうち4地点を駿府城公園北側のエリアが占める結果に。
人気エリアのブランド力が高まる中で建築資材も高騰が続き、周辺の地価も上がっています。
アイワ不動産・三好哲平さん:
コロナ禍からずっと建築費が上がり続けていて、いまもずっと上がっている状況。予算にかなうところを探さなければいけないので、人気のエリアからちょっとそれたところ、城東町などが話に上がってくるのかなと
物価の上昇が続く中、実質賃金は6月に27カ月ぶりのプラスとなったものの、8月は再びマイナスに転じています。
静岡市でのマイホームが叶いづらくなる状況はさらに広がるのか、今後の動向が注目されています。