久保川宏一さん​ :
それなりにしっかり育ってくれたかなって思ってます。確かに一番取るようなことはなかったような気はしますけれども、一生懸命仕事をして頑張ってくれてますので、そういう点ではうちの子なりの人生を歩んでくれてるなって、すごく親としては幸せに感じています。

そう感じているのは、きっとこの家族ばかりではないだろう。

ハルウララ。7年の現役生活で、113戦0勝。結局、最後まで1勝も出来なかったけれど、彼女が教えてくれたのは負けても、負けても、最後まで諦めず走り続けること。

そして、敗北は失敗ではなく、“挑戦の証”だということ。

幻の実況「ハルウララ、とうとう初勝利に…!」

だが、物語はこれで終わらなかった…。

高知競馬場  実況アナウンサー・橋口浩二氏:
高知競馬場大歓声です。長い挑戦を経てハルウララが初秋のダートに春の花を咲かせました!今ゴールイン!

ハルウララがこの世を去ってから6日。高知競馬場で偶然出会ったのは…。

(Q.ちょっとお名前伺ってもよろしいですか?)
宗石大さん:

 宗石大です。

なんと、ハルウララが、どんなに負け続けても決して処分しなかった伝説の調教師・宗石大さんだ。

宗石大さん:
私、今年、定年なんで、自由な身になれば、一度ハルウララに会いに行こうと思ってたんです。残念です…。
(Q.宗石さんの中でハルウララっていうのはどういう馬なんですか?)
まあ、忘れることはできない馬ですよね。いろいろな馬いたけど、これほど取り上げられる馬いないからね。まして連敗を重ねる馬ですから。重ねた馬がこれほど取り上げられるとは、夢にも思いません。

それだけ言うと、静かに去って行った宗石さん。

そして、実況の橋口さんは粋なサプライズを用意してくれていた。

高知競馬場  実況アナウンサー・橋口浩二氏:
いつか勝っているところを実況して、ファンの方がみんなでワーッと盛り上がるところが見たかったです。

そう言って、特別に幻の実況を聞かせてくれた。

橋口氏の実況 :
第4コーナーカーブから直線コースに向く。残り200を切りました。大歓声!高知競馬場大歓声です! 長い挑戦を経てハルウララが初秋のダートに春の花を咲かせました。
今、ゴールイン。ハルウララ、とうとう初勝利にたどりつきました。大歓声です!
(「Mr.サンデー」9月14日放送より)