現在の自民党と公明党による与党は、衆議院・参議院ともに「少数与党」となっていて、安定的な政権基盤を作るために野党の協力も必要で、次の自民党総裁には、ほかの野党とあわせて連立政権を組めるのかが注目されます。
自民党の大阪府連会長を務めた青山繁晴参議院議員は、次の総裁の有力候補とされる小泉農水相と維新の吉村代表が近い関係にあり、「連立を組むのでは」と聞かれ、「小泉氏が総裁になって維新と連立を組む場合、『減税をどうするか』が問われる。小泉氏は減税に反対するであろう財務省と近く、維新の立場が問われる」と解説。
一方で高市氏については「積極財政路線なので、国民民主党と親和性がある」と指摘。
連立政権や連携の枠組みは「“オールドメディア”で言われているような組み合わせとはだいぶ違うと思う」と述べました。
■「ポスト石破」有力候補は
“ポスト石破”有力候補の顔ぶれです。
茂木敏充前幹事長(すでに出馬表明)
小泉進次郎農水相(出馬の意向)
高市早苗前経済安保相(出馬の意向)
小林鷹之元経済安保相(出馬の意向)
林芳正官房長官(出馬の意向)
茂木前幹事長以外の4人は、9月15日からの週の間にも立候補を正式表明する見通しです。
■公明党から「連立の枠組み」に注文?
公明党の斎藤代表からは、連立を巡って「公明党としては連立政権を組むなら保守中道路線。私たちの理念に合った方でなければ、連立政権組むわけにはいきません」という声が上がっていました。
新総裁によっては公明党が連立を解消するという選択肢もあるのでしょうか。
【自民党 青山繁晴参院議員】「公明党にそこまで覚悟があって、斎藤代表がおっしゃったわけじゃないと思います。ただ、もともと『自公連立』は、『政策が一致しているから』とか、『日本をどうするか』っていう、究極の目的が一致しているからではなく、選挙区ごとの都合で公明党・創価学会の票が欲しいからということでやっているわけですから。
それが“賞味期限が切れている”ので、そういう機運が公明党の中にも芽生えたということは重要・重大なことだと思います」
■高市氏 公明党との関係性は
そんな中で新たな総裁がどういう形で野党と協力していくかということになります。
世論調査で非常に高い支持を集めている高市早苗前経済安保相は、公明党との連立の維持についてどのように考えているのでしょうか。
【自民党 青山繁晴参院議員】「高市さんご自身は、去年秋の総裁選の決選投票での演説の最後に、とつじょ公明党のことをほめそやしたので。本人が出馬表明をされて『自公が連立解消に向かうんじゃないか』ということを指摘されたら、『自公連立を続ける』とお答えになると思いますけど。公明党の方から事実上、“ダメ出し”を食らった状態で弁明するのも変な話だなと。だから高市さん全体に苦しいですけど、これも含めて苦しくなっていますよね」
■高市氏「積極財政路線で国民民主党の玉木さんと親和性」
他の野党との連携の可能性で考えていくと、高市さんはどのような立場なのでしょうか。
【自民党 青山繁晴参院議員】「高市さんは、(世間の)先入観が先走っているところがあるんですけど、基本的に『減税』という路線は、あまり高市さんはっきりおっしゃっていないのが難点ですが、積極財政路線ではあるから、国民民主党の玉木さんとは親和性もあるし、野党はどこも減税ですから。
だから例えば外交政策で違うかもしれないけど、いまはまず内政、特に税負担、社会保険料も高すぎるというのが問題なので、そこは野党と組めると思います。
むしろ他の人の方が、財務省との結びつきが強いから、例えば小泉さんにしてもそうだから、肝心な減税というところで野党と組めないので、気分は『野党との共闘』でも、そこ(減税や社会保険料引き下げ)を組めないんだったら、次はいずれにしても総選挙なわけですから、野党も困っちゃうので。
だから今“オールドメディア”で言われているような組み合わせとはだいぶ違うと思うんですよね」
■小泉氏と近い維新・吉村氏 連立なら「『減税をどうするのか』維新も問われる」
小泉農水相は維新・吉村代表と「近い」と言われていますが、自民党が維新と連立政権を組む可能性はあるのでしょうか。
【自民党 青山繁晴参院議員】「維新の吉村さんの側が、小泉さんにそれを求めていることは、疑いようがないと思います。
でも例えば『自・公・維』(の連立政権)になると、大阪は見捨てられるも同然です。7月まで大阪府連会長をやっていましたから、身に染みて感じますけど、私、実は参院選の途中にも、府連の中で、『(自民党の)中央が大阪を見捨てているに等しい。その現実を踏まえないといけない』ということも申しました。それがいよいよ現実になってしまいますよ。
だからそれを考えると、大阪にとっては、府民の方々にとっても重大な関心があるところだと思いますけど、でも小泉さんが維新と組むときには、例えば『教育の無償化』だけでは済まなくて、『減税をどうするのか』、維新も問われる。
小泉さんは財務省(減税に反対するとみられる)と関係が深いのは事実ですから、財務省から見たら信頼関係のある小泉さんですから、そこ(減税の是非)も問われることになります」
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月15日放送)