「京都府警」を名乗る電話から始まった詐欺
「あなたに逮捕令状が出ている」。
仙台市に住む60代の男性が、警察官や検察官を名乗る男からの電話を信じて、400万円をだまし取られる詐欺被害が発生した。15日だけで同様の不審電話が少なくとも4件確認されており、警察が注意を呼びかけている。
被害に遭ったのは、仙台市太白区に住む60代の男性。
9月15日午前9時ごろ、男性の携帯電話に京都府警を名乗る男から電話があった。
「本人確認をする」として、住所や氏名、生年月日を聞かれ、男性は素直に応じてしまったという。
その後、「本人確認が取れたので担当官に代わる」として、別の警察官を名乗る男にテレビ電話での対応を求められた。
テレビ電話をかけると、40代と見られる男が画面越しに警察手帳のようなものを見せ、「ある男をマネーロンダリングで逮捕した」「キャッシュカードを300枚以上押収し、その中にあなた名義のカードがあった」と説明。
さらに、「あなたには逮捕令状と凍結捜査令状が請求されている」と告げたという。
警察官を名乗る男は「この件は検事にも伝えてある」と述べ、今度は検察官を名乗る別の男に交代。
その男は、「あなたの資産が事件と無関係だと証明できれば、逮捕令状は出されない」「そのためには一時的に資産を別口座へ移してもらう必要がある」と説明した。
男性はその言葉を信じ、合計400万円を指定された口座に振り込んだという。
入金後、男性が家族に相談したことで詐欺の可能性に気づき、警察に連絡、事件が発覚した。
警察は、電話や口座の履歴などから、組織的な特殊詐欺グループの関与を視野に入れ捜査を進めている。
また、仙台南警察署管内では同様の詐欺電話が15日だけで4件確認されており、警察は不審な電話があった際にはすぐに通報するよう呼びかけている。