長野県小諸市で95年続く老舗の文具店「万年堂」には「店長」と「インターン」として客を出迎える2匹の看板猫がいます。「癒やされる」とSNSでも人気で多くのファンに親しまれています。


小諸市の文具店「万年堂」。出迎えてくれたのはネコの「シマ子」13歳。この店の「店長」です。

看板猫はもう1匹、「シポ子」4歳です。今はまだ見習い中、「インターン」なんだそうです。

2匹の看板猫がいる文具店。「万年堂」ならぬ「にゃん年堂」としてネコ好きに知られています。

客:
「また来ようかなって思います。ネコちゃんに会いに」

万年堂・才川祥子さん:
「仕事してても癒やされる。お客さまとの触れ合いもあるし、楽しく仕事ができる」

「万年堂」は1930(昭和5)年創業。万年筆の行商がルーツで、店の名前もそこから取られています。

約2万種類の豊富な品ぞろえ。地域に根付いた店として95年間、地元住民から親しまれてきました。

少子化やネットショッピングの普及などで、店頭販売は厳しくなり今は学校や官公庁への販売がメインとなっています。

それでも―。

万年堂・才川祥子さん:
「ネコちゃんのおかげで足を運んでくださることもあるので、なんとか頑張ってます」

店でネコを飼うようになったのは2009年ごろ。倉庫に毎日来ていた野良猫を「トラ子」と名付け初代「店長」にしたのが始まりです。

その後、2011年秋に同じく野良猫だった「シマ子」を「受付嬢」として迎えました。

万年堂・才川祥子さん:
「(シマ子は)村の中をふらふら、よたよたしていた。うちの営業さんがネコ好きで心配になって、親もいないしって、連れて帰ってきた」

2017年に「トラ子」は病気で息を引き取り、「シマ子」が「2代目店長」に。

「店に1匹では寂しい」と4年前、保護猫だった「シポ子」を「インターン」として「採用」しました。

看板猫がいる文具店として少しずつ知られるようになり、2016年からはSNSで2匹の日常を写真とともに投稿しています。

(SNSの投稿)
「『A3のコピー用紙が終わっていますよ』と優しく教えてくれるシマ子店長」
「やる気のない店長とインターン」
「3歳にニャリました。インターンから昇進できるかニャー」

こちらの投稿にはXで30万を超える「いいね」がつきました。

「捨て猫ではありません。店長です」

客:
「シマちゃん!お久しぶりです」

SNSの効果もあり、全国からファンが訪れるようになりました。

ただ、少し臆病なインターン「シポ子」は人前に出るのが苦手。売り場の棚の下が定位置です。

このため、接客は主に「シマ子」の担当。さすが「店長」!

地元客:
「ノートを買ったり、ボールペンを買わせていただいたりしてます。シマちゃんによく会って、触れ合って。顔全体がもう癒やされますね」

地元客:
「かわいいです、いつ来てもいい子ちゃん。お出迎えしてくれて、椅子に座ってたり、ひなたぼっこしてたり」

万年堂・才川祥子さん:
「ありがとうって言った?」

2匹の人気から「ネコ文具コーナー」も設置。年々、取り扱う商品も増えているということです。

万年堂・才川祥子さん:
「ネコ文具しか売れないのかなって感じでどんどん増えてきます。本当、”招き猫”だよね。じゃなきゃこんな文具屋に来ないよね。シマちゃん目当てで来る方が多いので、シマちゃんいなきゃお店傾くな」

あと5年で創業100年を迎える万年堂。地域に根付いた店として、そして2匹の看板猫が客を出迎える「にゃん年堂」としても、ますます親しまれていきそうです。

長野放送
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