住む人がいない状態が続いている秋田県の知事公舎の在り方について、鈴木知事は「廃止」を選択肢の1つとして検討する考えを示しました。
秋田市千秋北の丸にある知事公舎は、1980年に建設された鉄筋コンクリート造りの2階建てで、住居スペースの「私邸」と会議室や応接室を備える「公邸」があります。これまで、佐々木喜久治氏、寺田典城氏、佐竹敬久前知事が入居していましたが、佐竹前知事は2020年2月に秋田市内の自宅に移りました。また、鈴木知事も市内に自宅があるため、私邸は5年以上使われていません。
さらに、日中は担当の職員を置き、敷地の草木の手入れなどをしているため、維持管理費は年間1000万円以上に上っています。
9月県議会は12日から一般質問が始まり、議員が知事公舎の在り方について知事の考えをただしました。
鈴木知事は「知事公舎については近年、老朽化の進行などを理由として廃止する県が増えてきており、私としてもそうした方向に向かうことが時代の流れであるものと考えている」と述べ、廃止を選択肢の1つとする考えを示しました。
一方で、公舎の敷地は地中に遺跡などがある「埋蔵文化財包蔵地」で、解体する場合は、文化財の発掘調査費として数千万円から数億円かかる見込みです。
県は今後、土地と建物の情報をオープンにして、民間などの意見を聞きながら利活用の方法を検討することにしています。
ところで、県内の最低賃金は、2026年3月31日から現在より80円高い1031円に引き上げられます。鈴木知事は、企業の賃金の引き上げにかかる費用の一部を助成する事業費を盛り込んだ補正予算案を、開会中の9月県議会に提出する方針です。