奈良市に住む60代の男性がSNS型の投資詐欺の被害にあり、約3ヵ月の間に総額・約9402万円を騙しとられたことがわかりました。
警察によると、ことし5月男性がYouTubeで著名作家の動画を見ていたところ、この作家のサロンへ勧誘する広告を見つけました。
男性がこれをクリックすると、著名作家を名乗るLINEのアカウントからメッセージがあり、「★未来安全安心プラン112」というグループに招待された男性は株式投資に関する情報を受け取るようになりました。
※「★」の部分にはローマ数字の「7(VII)」が入ります
その後、著名作家を名乗る人物から「AIによる株式投資がある。確実にもうけることができる」などと案内がありました。
LINEのグループの参加者からも「多額のもうけが出ている」といったメッセージが送られてきたことから、男性はこれを信じこみ、投資用のアプリケーションをインストールして、指定された口座に5回にわたり計2500万円を振り込みました。
すると、アプリ上では「約4億円の利益が出た」などと表示。
男性が出金したいと申し出たところ「出金にはもうけの18%を振り込む必要がある」などと言われ、これを信じこんだ男性はさらに約6902万円を振り込んだということです。
その後、著名作家を名乗る人物から「8月20日ころには、あなたの口座に振り込まれる」などと連絡があったものの、一向に振り込みがなかったことに加え、著名作家のYoutTube動画で、詐欺被害への注意喚起が行われていたことから、男性は被害にあったと気づき、警察に届け出たということです。
奈良県警によると、ことし8月末時点でのSNS型投資詐欺による被害は、去年の同じ時期と比べ減少しているものの、被害件数は71件・被害総額は約10億8920万円となっています。
奈良県警は「SNSで投資を呼び掛ける手口の被害も多く発生している。会ったことのない人から金銭を求められたり、投資を持ちかけられたら、それは詐欺です」と注意を呼び掛けています。