15日の終戦の日は戦後が始まった節目の日でもあります。

先日行われた平和を考えるあるイベントでは、木材にスポットが当てられました。
木と戦後80年つながりは意外なところにあります。

木材に向き合う子供たちのまなざしは、真剣そのものです。

埼玉で、木を通じて平和を考えるイベント「つくろう!木育フェス」が開かれました。

会場で、まず目を引いたのは丸太と角材の展示。
そこには秘密が隠されていました。

(株)AQ Group販売本部・岡田祐二さん:
こちらが樹齢80年の丸太になる。戦後すぐ植えられた木材。

年輪には、80年という歳月が刻まれています。

ところが…。

(株)AQ Group販売本部・岡田祐二さん:
思ったより大きくないというイメージがあると思う。皆さんから一枚板のテーブルなど求められるが、さらにここから何十年も育てないとその大きさにはならない。

木造建築を手がける企業が企画した、夏休みの特別授業。
背景にはある思いが込められていました。

(株)AQ Group代表取締役社長・加藤博昭さん:
(Q.平和をテーマにした理由は)未来を担う多くの子供たちが豊かな心を育むことが世界の平和につながるのではないかという願いを込め、今回の木育フェスに平和というテーマを掲げた。

親子で参加した授業では、かつて日本の森が失われた歴史が語られました。

埼玉大学 教育学部・浅田茂裕教授:
第2次世界大戦が今から85年ぐらい前に起きたが、飛行機を造るにしても船を造るにしても、木材はたくさん使われる。その結果、森はどんどんどんどん減っていく。

戦争によって姿を変えた森。
林野庁の統計によると、終戦後の1949年には150万ヘクタールもの森林が荒廃した状態だったといいます。

森を再び育てるには長い時間と、そして平和な社会が欠かせませんでした。

イベントでは木造建築の際に出た廃材を使ったアートコンテストも行われました。

廃材を組み合わせながら作品を形にしていきます。
その一つ一つに子供たちの平和への思いが込められていました。

アートコンテストに参加した子供:
みんなが仲良くなる街をつくっている。(Q.なぜ平和は大事?)ごはんとか食べられなくなって人がいなくなっちゃう。

木と平和をつなぐ終戦から80年の夏休み。
その記憶は、きっと心の中で静かに根を張っていくはずです。