検査もあるが勧められない理由

そんな場合は、ダニの検査をする方法もあります。部屋や布団のほこりなどを採取し、検査をすれば、どんなダニがどれくらいいるのかはすぐか分かります。

でも、そこまでやるのは得策とはいえません。なぜなら検査を依頼した場合、1箇所3〜5万円の検査費用がかかってしまうからです。ソファや布団なども含めて3箇所調べたら15万円以上かかることも、じつは珍しくないのです。

イエダニの作業の様子(画像提供:足立雅也さん)
イエダニの作業の様子(画像提供:足立雅也さん)

本来なら、「ダニがいるから駆除してください」とお客様が頼んでいるのだから、黙って駆除すればいいだけの話なのですが、私としては、ダニがいないと分かっているのにお金をいただいて殺虫剤散布するのは本意ではありません。だからダニが原因ではなさそうだと判断したときは、とりあえず「内科か皮膚科のお医者を受診してみてはいかがでしょうか」とアドバイスしています。

原因不明のかゆみを感じたときは、ダニに刺された!と自己判断せずに、とりあえずは上記の質問事項をチェックしてみてください。そして、ダニの被害が疑われるときは、それぞれのダニにあった駆除方法を試してみましょう。後編では、一般の方でもできるダニの駆除法についてお話しているので、ぜひ、そちらも読んでみてくださいね。

■自分でできるダニ対処法は後編

足立雅也(あだち・まさや)
害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。

構成=中村宏覚

足立雅也
足立雅也

害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。大手害虫駆除専門チェーン店勤務中に全国コンクールで優勝。その後、業務用殺虫剤、噴霧器を販売する商社に転職。蚊やマダニに対する殺虫剤効力評価試験に協力する。宿泊関連業界、殺虫剤メーカーと協力し、トコジラミ駆除方法を研究し、講演や執筆にて全国に広める。独立後、自ら現場作業をする傍ら、数社の技術指導を行う。