最初は店の奥で飼っていたが、鳴き声に気付いたお客から「猫がいるんですか」と聞かれるので、店内で過ごさせてみたそう。
すると、トムくんは看板猫として親しまれるように。甘がみする癖から“ガブリエル”というあだ名で呼ばれ、かわいがられたそうだ。
「当時は猫に不潔なイメージを持つ人もいました。それがトムのおかげで“猫が遊んでいるお店”として、受け入れられた気がしています」
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行き場のない猫を預かる貸本店に
トムくんは2歳の頃に息を引き取ったが、輝ららは「行き場のない猫を預かる貸本店」となっていく。保護猫活動をしているお客が助けた猫の預かり場所となり、受け入れ先を探すようになったのだ。
「おかげ様で、猫が“新しい家族”に出会う架け橋となることができました。ただ、本当に大変な思いをしているのは、保護活動をしている方々です。行き場のない猫が殺処分されないよう、必死に行動されています」

受け入れ先がどうしても見つからない場合は、看板猫として引き取っているそうで、現在お店で活躍するのは3匹。13歳のココアちゃんと、どちらも2歳のレオくん、ゆきちゃんだ。
「ココアは車のエンジンルームにいたところを、レオとゆきは公園で衰弱しているところを保護されました。毎回『今いる看板猫が寿命を迎えたら、一緒に暮らすのは終わりかな』と思うのですが、なぜか、猫と縁があるんです」

店では自由気ままに過ごしているという3匹だが、お客が来ると「いらっしゃいませ」と言わんばかりにお腹を見せたり、ゴロゴロと喉を鳴らしたりして甘えるそう。
猫が“転機や人との縁”を運んでくる
そんな看板猫を目当てに、国内の各地からお客が来るそうだ。吉谷さんは「猫たちがいるから今でも店を続けていられます」とも話す。
貸本業界はスマホなどの普及によって厳しい状況が続いていて、吉谷さんも経営に悩むことが多いのだとか。 ただ、そんな時には猫が“転機や人との縁”を運んでくるという。