中国の「少林拳」発祥の地で世界遺産の嵩山少林寺の住職が寺の資産を横領した疑いで調査を受けている。

また、長年にわたり多くの女性と不適切な関係を持ち、子どももいたという。

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中国仏教協会は「極めて悪質で、仏教界の評判を損ねる」と僧侶の地位を取り消すと発表している。

資産横領と女性トラブル…住職への調査続く

人気のカンフー映画などで知られる、中国武術のひとつ「少林拳」。

中国武術のひとつ「少林拳」
中国武術のひとつ「少林拳」

少林拳発祥の地とされる寺が発表したのは、「少林CEO」の異名を持つ大物住職の大スキャンダルだった。

中国・河南省にあり世界遺産にも登録されている嵩山少林寺は、今回トップを務める釈永信住職が寺の資産を横領した疑いで調査を受けていると発表した。

横領だけではなく、仏教の戒律に違反して長年にわたり多くの女性と不適切な関係を持ち、子どももいたという。

‟少林寺”の商業化を推進…金のなるブランドへ

そんな少林寺・釈永信住職は2017年、次のように話していた。

少林寺・釈永信住職:
(少林寺は)繰り返し稽古を重ねることで心と体が一体となり、雑念のない状態に達することができ心身の健康に積極的な効果をもたらします。

2006年にロシアのプーチン大統領が少林寺を訪れた際には、少林寺の顔として案内役を務め、少林寺ならではの演武で楽しませていた。

少林寺を訪れたプーチン氏(2006年)
少林寺を訪れたプーチン氏(2006年)

経営学修士=MBAを取得している釈氏は、世界各地で演武ショーを行うなどして一気に商業化を推進した。約1500年の歴史を誇る少林寺を、金のなるブランドに変えた。

中国メディアによると、少林寺にはピーク時で年間420万人もの観光客が来場。寺は入場料などで240億円以上を得たという。

中国のSNSでは
「何で今さら?もう10年前から明らかだったのに」
「長年、誰が守っていたんだ?」

など様々な声が上がっている。

中国仏教協会は「釈氏の行為は極めて悪質で、仏教界の評判を損ねる」とし、僧侶の地位を取り消すと発表している。
(「イット!」7月28日放送より)

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