社員とか関係が深い相手には、「そういう伝え方のほうがいいよ」と伝えることもある。でも、育った環境や価値観が違う相手に対しては、ある程度は聞く姿勢を持ちながらも、心の中では「うわ、これはキツいな」と思ってしまうことも正直あります。
なぜなら、回りくどい話し方って、自分のことしか考えていないケースが多いと感じるから。相手の時間をどう使うか、自分の話をどう効率的に伝えるかっていう視点が欠けていると、そこにはやっぱりズレが生まれる。
そのズレが積み重なると、信頼関係やコミュニケーションにも影響してくるんですよね。
結論から話す、は慣れ
僕自身も、結論を後回しにして話しているときって、途中で「うわ、なんか今の自分、気持ち悪いな」と思ってしまうことがあります。そういうときは途中で話を止めて、「ごめん、実はこういうことが言いたかったんだ」と、もう一度軌道修正して伝え直すこともあります。
結局それって、自分が俯瞰で自分を見ていて、「今の自分、気持ち悪いな」って違和感があるからなんですよね。
結論から話すことって、慣れの問題だと思うんです。人と関わるなかで、相手のテンポや間、スピード感を読み取る力がついてくると、自然とできるようになる。
僕も人に「ながのさんって会話のテンポ合うんですよね」と言われることがあるけど、それって最初に僕がかなり相手に合わせているから。会話のテンポを合わせて、相手に「気持ちいい」と思ってもらう。それがビジネスでも人間関係でも、一番大事だと思っています。
最近、よく思うことがあって。「人生一度きり」って言うけど「相手の人生も一度きりだよ」ってことなんです。それに気づくだけで、自分だけじゃなく、相手の時間も愛おしく感じるようになる気がするんです。
そして、もっと言えば、人との関係ってある意味「相手のエクスタシーをどう引き出せるか」という視点でもあると思うんです。相手が気持ちよくなると、自分も気持ちよくなる。そんなふうに、人との関わりを楽しめるようになると、会話も人間関係もどんどんスムーズになっていきます。

ながの社長
宮城県の総合建設業「株式会社リンクロノヴァ」の代表取締役。YouTubeチャンネル「ながの社長のハッピーチャンネル」を運営するクリエイター。社員が突然手料理を振る舞う様子に「おいおい!」とツッコみつつ豪快に食べる姿が話題となり、チャンネル登録者数は100万人を突破。「あんな上司がいたら働きたい」と称されるほどの人柄と、社員を大切にする経営スタイルが多くの支持を集めている。