小泉農水相が着任早々、肝いりで進めた“コメじゃぶじゃぶ”作戦の効果もあってか、全国のスーパーのコメ平均価格は6週連続で低下している。新米の販売開始まで約1カ月半となったが、ここにきて福井県内の小売り業者からは「卸が在庫として抱えていたコメを市場に流し始めた」という話も聞かれる。現状を取材した。

銘柄米の価格は高止まり「在庫が多くない」

政府はコメ全体の価格を下げる目的で、随意契約での格安備蓄米を放出し、県内では早いところで6月8日から店頭に並び始めた。
  
このうち坂井市に本社のあるスーパーセンター「PLANT」は、6月21日に県内3つの店舗で格安備蓄米250袋を販売。5キロ税込み1814円という安さもあり、3店舗とも1時間ほどで完売した。

あっという間に完売した“格安備蓄米”
あっという間に完売した“格安備蓄米”
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それから半月あまり経ち、同じ売り場を取材すると―

コシヒカリや、いちほまれといった銘柄米は値下げの動きはなく高止まりしているという。担当者は「在庫が多くないというのも要因かも」と話す。
 
この店では、玄米や、品種や産地を混ぜ合わせたブレンド米の価格は徐々に下がるとみているものの、銘柄米は高止まりが続く可能性もあるとしている。
   
県内の他のスーパーなど複数の会社にも話を聞いたが、同様に銘柄米の価格は下がらない状況だという。
 
消費者は「1000円くらい下がって5キロ3000円くらいになったら嬉しい。新米が出たら食べたいので、最初は少し高くても新米を買うと思う」と価格低下もそうだが、新米への期待も口にする。

スーパーセンターPLANTの担当者
スーパーセンターPLANTの担当者

大手小売り関係者「卸が在庫を流し始めた」

2025年産の新米の販売が始まる8月下旬まで、約1カ月半。ここにきて、コメ市場にある動きが出てきたと大手小売り関係者は話す。「卸売業者が、在庫として抱えていたコメを市場に流し始める動きがある」というのだ。

2024年産銘柄米が市場に流れ始めたという声も
2024年産銘柄米が市場に流れ始めたという声も

全国の店頭からコメが消えた“令和のコメ騒動”から1年。“格安備蓄米”が飛ぶように売れた後で販売が続く2024年産の銘柄米。まもなく市場には2025年産米の新米が出回る。小泉農水相は、新米の価格が下落した場合には備蓄米として買い戻すという考えも示しているが…生産者と消費者、どちらも納得できる形で騒動は収束するのか、その舵取りが注目される。

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福井テレビ
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