食事から水分・塩分を摂ることも大切

また、食事を抜かないこともポイント。メニューや食事量にもよるが、朝昼晩と食べると、約1.4L以上の水分摂取が期待できるそうだ。

そして食事に含まれる塩分も、熱中症対策には大切だ。水ばかり飲んでいると、人間の体に流れている「体液」(水分や塩分が含まれる液体)の塩分濃度が下がってしまう。

水ばかり飲んでも尿として出ていく(画像はイメージ)
水ばかり飲んでも尿として出ていく(画像はイメージ)

身体は体液の塩分濃度を一定に保とうとするので、飲んだ水が尿として出やすくなり、熱中症の要因である“脱水”が起きやすくなるというのだ。

「暑くて食欲がないから…」などと、食事をおろそかにしないようにしたい。

三宅さんのお勧めメニューは、つゆを少し濃い目にしたそうめんや、具材入りの“塩気の効いた”おにぎり。夏でも食べやすいそう。

三宅さんのお勧めは味噌汁(画像はイメージ)
三宅さんのお勧めは味噌汁(画像はイメージ)

「加えて私が勧めるのは、味噌汁です。味噌には塩分はもちろん疲労回復につながるアミノ酸も豊富に含まれています。朝食時にでも、1杯取り入れてみましょう」

ただし、高血圧、心不全、腎疾患のある人は、水分や塩分の摂取について、かかりつけ医のアドバイスを必ず受けてほしいともいう。

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子供の熱中症リスクを下げるコツ

熱中症リスクに注意したいのは、大人だけではない。外で遊ぶことが多い子供には、次の工夫で水分や塩分を摂ってもらうことが大切だ。

・子供が持ちやすい大きさの水筒を用意する
・水筒は保冷タイプにし、氷を多めに入れる
・飲料を凍らせたペットボトルを持たせる
・出かけた先で飲み物が調達できるように、少額のお金を持たせる
・塩飴や塩タブレットなど、手軽に経口摂取できるものを持たせる

水筒の大きさ、重さに気を付けて(画像はイメージ)
水筒の大きさ、重さに気を付けて(画像はイメージ)

「水筒を携帯することが子供にとって負担になると、かえって水分補給の頻度を下げてしまいます。大きい、重い、水筒しか用意できない場合は氷だけを入れ、出かけた先で子供に飲み物を入れてもらいましょう。スポーツドリンクの粉末を持たせてもいいです」

幼い子供であれば「暑いところに一人で行かせないことも重要」と三宅さん。体調の変化に対応できるよう、そばで目を離さないようにしたい。