東京・赤坂の個室サウナで夫婦が死亡した火事で、ドアノブが外れ、2人がサウナ室に閉じ込められた可能性があることが分かった。安全対策はどうなっているのか、取材した。

2人が閉じ込められた可能性

東京・赤坂の個室サウナで男女2人が死亡した火事。警視庁は、亡くなったのは美容室経営の松田政也(36)さんと妻の陽子(37)さんだと発表した。

近隣住民:
12時ぐらいにサイレンがなって、煙も目には見えないですけど、ちょっと臭いでは感じました。

近隣住民:
びっくりしましたね。(サウナは)銭湯でよく利用するので、ちょっと怖いなと思いました。

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火災が起きたのは、赤坂駅から300メートルほど離れた会員制プライベートサウナ「SAUNA TIGER」。全室個室となっており、飲食の提供なども行われている。

警視庁によると、5階建てビルの3階から出火したとみられ、サウナ個室内の座席や壁は焦げていたという。

松田さん夫妻はサウナ室内の入り口付近で、仕切りの扉に頭を向け、陽子さんの上に夫・政也さんが折り重なるような形で倒れているのを発見。

さらに、その後の捜査関係者への取材で、サウナ室に出入りする扉の、L字型の木製のドアノブが何らかの原因で外れていて、床に落ちていたことが分かった。サウナ室の中から扉を開けられず、2人が閉じ込められた可能性がある。

また、サウナ室内には非常用ボタンがあり、押されたような形跡があったというが、正常に作動したかどうかは分かっていない。

密閉空間だからこその安全対策

一般的に個室サウナでは、どのような安全対策を行っているのか。川崎市にある個室サウナを取材した。

「ロウリューランド川崎」では、2人まで利用できる個室サウナを25部屋備えているという。

ロウリューランド 川崎・三枝祥栄 店長:
外側からは、このようにお客さまがつかみやすいようになっていますけど、裏側からみると特に取っ手とかはなくて、押して開けられるようになっています。体調が悪い時には、絶対こうもたれかかると思うので、勝手に開くようにはしています。

また、万が一の火災の場合に備え、サウナ室内には、火災報知器を必ず設置している。

ロウリューランド 川崎・ 三枝祥栄 店長:
内側に非常用ボタンがあります。
――お客さんが座っている正面にある?
そうですね。
――押すとどうなる?
事務所の方に操作盤があるので、そこで警報が鳴るようにしています。

試しに押してみると、「ピーピー」と音が鳴った。

ロウリューランド 川崎・三枝祥栄 店長:
フロントにも響く音なので、「何か鳴ってるな」はすぐわかります。
――非常用ボタンが鳴ったら、すぐ駆けつける?
その通りです。

さらに換気口も2カ所設置するなど、密閉空間だからこその安全対策を行っているという。

個室サウナで夫婦2人が亡くなった赤坂での火事の現場には、燃えたタオルが残されていて、警視庁は出火の原因を引き続き調べている。
(「イット!」 12月16日放送より)