新潟県阿賀野市にある遊園地が新聞に掲載した“ある人物”を探す広告が注目されている。2026年で50周年を迎える遊園地がいったいどんな人を、なぜ探しているのか調査した。

サントピアワールドが探しているのは「開園と同時に駆け込んできた2人」

9月1日に地元紙・新潟日報に掲載された、ひときわ目を引くカラーの広告。

新潟日報に掲載された広告
新潟日報に掲載された広告
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“たずね人”の文字とともに、風船を持った子どもが楽しそうに走っているイラストが載っている。この2人はいったいどんな人物なのか、そしてなぜ探しているのか…。

その真相を探るべく、広告を出した阿賀野市にある遊園地・サントピアワールドの高橋修園長を訪ねた。

サントピアワールド 高橋修 園長
サントピアワールド 高橋修 園長

高橋園長は「前身の安田アイランドとして昭和51年4月25日にオープンしたが、そのときに一番初めに園内に入ってくださった方。お会いしたいなということをそのまま宣伝にしたもの」と明かす。

サントピアワールドが前身の安田アイランドとして開園してから、26年で50周年。

それを記念して50年前のオープンの日に開門と同時に入園したお客を探そうと、当時の記録映像をもとにイラストにしたというのだ。

「テープがあって、テープカットされました、オープンですと言ったときに、そのお2人が駆け込んできた。駆け込んできたシーンを撮影していて、それが残っている。表情も『待ちに待ったオープンだ』、そんな感じで駆け込んできている」と高橋園長は記録映像に残った2人の様子について話す。

約50年前の映像では表情などの判別難しく…「とにかく何かヒントを」

そこで、この2人の情報が何かないものか…周辺で聞き込みを行ったが、残念ながら有力な情報を得ることはできず。

サントピアワールドの前身『安田アイランド』
サントピアワールドの前身『安田アイランド』

イラストでは人物の特定が難しいことから、高橋園長に表情などが判別できるものがないか確認したが、映像では2人が走っていたため、表情は鮮明とはいえないという。

それだと、名乗り出たとしても本人か確認できないのではないかとも思うが、「当時の写真などお互いに協力して判別したい」と高橋園長。

ただ、広告を出した効果もあった。

「当時の情報も届いた。自分は一番初めに並んだわけではないが、“その場所にいた”という話を聞かせていただいた」

当時を知る人は確実にいるため、「とにかく何かヒントをいただければありがたい」と高橋園長は訴える。

人気アトラクション“ループザループ”復活へ開園当時の写真も募集!

また、開園50周年に向け探しているのは、最初の入園者だけではない。

2007年まで稼働していたアトラクション『ループザループ』をXRアトラクションとして復活させようというプロジェクトが進行中だ。

『ループザループ』
『ループザループ』

アトラクションだけでなく周囲の環境も忠実に再現しようと、当時の写真を集めているという。

「“安田アイランドといえばループザループ”と話す方が多いので、そのループザループを再現したいなと。いっぱい思い出がある、そこの思い出を紡ぐのに、周りも少しでも近づけることができたらいいのかなと思ってやっている」とその狙いについて高橋園長は語る。

“無謀な挑戦”も…「思い出は一番のエネルギーに」

無謀とも思えるような挑戦も、すべては訪れた人に楽しんでもらい、思い出をつくってもらうためだ。

「思い出は一番のエネルギーになる場合もある。私どもも一緒になって紡いでいきたい、一緒になって思い出してもらいたいという思いが一番強い」

なお、イラストの元となった最初に入園した人が現れた場合は、サントピアワールドでさらなる思い出をつくってもらうために、家族・親戚で使えるシーズンパスをプレゼント。

また、ループザループの復活に向けて写真を送った人には、オリジナルのステッカーが贈られるという。

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NST新潟総合テレビ
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