鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
日本にある町の造りは、地形や主たる産業によって千差万別だ。特に好きなのは木造家屋が並ぶ漁村や山村。
人がすれ違うのがやっとな曲がりくねった細い路地や階段で形成され、まるで迷路のようだ。
一歩進むごとに、道の先の景色がじわじわと見えてくるのが堪らない。
高台まで登って町を見下ろした時、「この町が故郷の人もいるのだ」と、そっと頬を撫でる風にどこか懐かしさを覚えた。
どっちに行く?魅惑の分岐
■三重県尾鷲市九鬼町(くきちょう)

どちらに進もうかわくわくする分岐がいくつもあった。12時のチャイムには民謡の尾鷲節が使われている。
■広島県尾道市

町歩き愛好家の聖地と言っていいほど、見どころにあふれた町。石畳、寺院、全方向階段…堪らない。
高台から眺める集落
■広島県呉市音戸町(おんどちょう)

くるくるしたループ橋がトレードマークの集落。高台にある墓地周辺からの眺めがきれいだった。
■山口県長門市油谷津黄

一大観光地、元乃隅神社の近くにある、海が見える集落。車が通れない細いうねうねした坂道が張り巡らされている。
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