大学の入試制度が大きく変わろうとしている。
2024年度の一般選抜による入学者は全体の50%を下回り、学校推薦型選抜と総合型選抜(旧AO)が過半数を占めた。
旧帝国大学の一角を占める東北大学では、全ての入試を総合型選抜に段階的に移行する方針を発表している。
入試が転換期を迎える中、総合型選抜と一般選抜の掛け持ちは可能なのか。総合型選抜専門塾AOI(アオイ)を運営する株式会社花形の小澤忠代表に対策の違いと今後の課題を聞いた。
私大志望なら両立がおすすめ
「総合型選抜と一般選抜を並行して対策することは可能です。
一般選抜は、従来のペーパーテストを中心とした入試制度で、共通テストや各大学独自の学力試験によって合否が決まる方式です。勉強時間としては、私立大学なら少なくとも1000~1200時間、国立大学志望で6教科8科目をやり切る人は2000時間が必要になります。
一方、総合型選抜の対策に必要なのは、2~3校受験するとして多くて500時間です」

小澤代表によると、この500時間のうち、小論文に約250時間、残りを志望理由書、プレゼン、面接の対策に充てるという。
「総合型選抜のメインマーケットは私立大学です。2024年度は約10万人が総合型選抜で大学に入学していますが、そのうちの9万人は私立大学です。
しかも6~7割は文系なので、ほとんどの人が3科目で受験しています。1000~1200時間の勉強にプラスして約250時間小論文の対策を頑張れば、1.2倍ほどの努力で受験の枠が広がるので、両方チャレンジした方がコスパは良いです」