福島県の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故は、高校生の尊い命を奪い、多くの負傷者を出す悲惨な結果となった。北越高校ソフトテニス部の遠征中に起きたこの事故の詳細や、亡くなった17歳の男子生徒の死因、運行会社の対応など、事故をめぐる最新情報と背景をまとめた。

逮捕のマイクロバス運転手 なじみの飲食店で事故3日前「免許返納しようと」 2カ月前から数回事故 前日夜には飲酒か 磐越道21人死傷

「トレーニングしてきた分のことだけ出ればいいと考えてますんで、順位とか記録はその後にやはりついてくるものであると」。こう話すのは1995年、高校の陸上部監督を務めていた若山哲夫容疑者だ。

この映像から31年後、高校生を乗せたバスを運転し、21人が死傷した事故を起こすことに…。

8日午前、マイクロバスを貸し出した新潟市内のレンタカー店では、国土交通省の職員による立ち入り調査が行われた。

店には、高校生20人を乗せていた車両と同型のマイクロバスが止まっていた。事故車両と比較すると、高速道路で起きた事故の衝撃が、いかに凄まじいものだったかが分かる。

バス事故は福島県の磐越自動車道で起きた。

練習試合に向かうためバスに乗っていた、新潟市の北越高校ソフトテニス部員・稲垣尋斗さん(17)が、車の外に投げ出され亡くなった。

過失運転致死傷の容疑で逮捕されたのは、新潟・胎内市の若山哲夫容疑者(68)。

若山容疑者は、旅客輸送に必要な「二種免許」を持っていなかったことが判明した。

調べに対し「時速90㌔から100㌔で走っていた」「速度の見極めが甘かった」などと容疑を認めているという。

警察は8日朝から、マイクロバスや運転手を手配した運行会社に家宅捜索に入った。

捜索が続く中、取材に応じたバス会社社長に対し、学校側との“食い違う主張”について質問が飛んだ。

蒲原鉄道・茂野一弘社長:
(Q.まだボランティアという認識?)ボランティアと言うことは、私から言った話ではないと思いますので、営業してる中で受付をしてきた一つだと言うふうに認識。(Q.学校側と金銭の受け取りは発生しない状況だった?)はい、今のところは。

6日の会見でバス会社は、学校側から「貸し切りバスではなく、レンタカーと運転手の手配を依頼された」と説明した。

蒲原鉄道・金子賢二営業担当:
青ナンバー(営業車)を使うと、やっぱり今高くつきますので、結果的に「安いものを探してよ」と。それがレンタカーにたどり着く。学校さんの方から「運転する人もいないんだよね」って話になってきましたので、そしたら運転手さんをご紹介しましょうかと。

ところが、7日夜に会見を行った北越高校は、このバス会社側の説明を全面否定したのだ。

北越高校・灰野正宏校長:
業者側の会見で「北越高校がレンタカーを依頼した」ですとか「北越高校で運転できるものがいないので運転手の依頼もあった」となされていますが、顧問によれば、全体行程人数を伝えるという形でバスの手配をお願いしており、こうした発言はないと確認している。(Q.安くしてと依頼した?)事実ではございません。

学校側は、“貸し切りバスの手配を依頼した”として「後日、代金を支払う予定だった」と説明。バス会社の“学校側から手数料は受けとっていない”とする主張とは食い違い、意見が対立している。

警察が違法な旅客輸送行為、いわゆる“白バス”にあたるかどうかも視野に捜査を進める中、事故を起こした運転手、若山容疑者をめぐっても、「目の焦点が合ってないような、トボトボトボトボ歩いてく」など足腰が悪く、事故の直前“免許を返納しようとしていた”といった気になる証言が続々と出ている。

福島県の磐越自動車道で、マイクロバスを運転中にガードレールなどに次々と衝突する事故を起こし、「速度の見極めが甘かった」などと話して容疑を認めている若山哲夫容疑者。

地元のタクシー会社関係者:
足腰がちょっと(悪い)。何で断らなかったのかと。

タクシー運転手:
(車の)乗り降りも大変なくらい足が悪いくらいな人。

若山容疑者がよく通っていたという飲食店の店主は、2カ月ほど前から“ある変化”を感じていた。

若山容疑者がよく通っていた飲食店:
正月に来たときは普通で、3月くらいに来たときから「あれ、おかしいな?」と。なんかおかしい、歩くときもあんなちゃんと歩くのに、いま傘をついてこんななんですよ、歩き方。

若山容疑者は3月頃から傘で杖をつきながら歩いていたという。そして事故を起こす3日ほど前には…。

若山容疑者がよく通っていた飲食店:
2、3日前に来たとき「もう自分の車も乗らないんだ」って。教え子が「赤ちゃん産んだから見に来て」って、新潟なんだけど、もう「電車で行った」って言ってましたよ。
その時来たときに「ママ、僕68(歳)になったから、免許上げようと思って」って言ってましたよ。(Q.上げる?)返納するってこと、免許を。

自ら「免許を返納する」と発言したという。

若山容疑者がよく通っていた飲食店:
ほんと事故起こす3日前に言ったんですよ。自分の車も乗らないって言ってるのに、バスなんか出来るはずないと思うのに。なんであの状態で引き受けたのか、不思議でなりません。

さらに地元のタクシー会社からは、“事故を起こす前日の行動”についての証言があった。

地元のタクシー会社関係者:
午後5時半くらいに一度飲み屋さんに行って、帰りが別の所から8時過ぎくらいですね。ひょっとするとアルコールが残る可能性もある。

事故前日の5日の午後5時半頃、若山容疑者はタクシーを利用し、飲食店に酒を飲みに出かけて、午後8時すぎに帰宅したという。

翌日の早朝、若山容疑者はバスを借りるためレンタカー店に寄ったあと、午前5時半に北越高校を出発し、福島県に向かう道中で事故を起こしたとみられる。

また、事故を起こす2カ月前から数回、事故を起こしていたことが新たにわかった。

事故車の修理会社関係者:
約2カ月で4回5回くらい(事故を)やったみたい。事故が頻繁に起きている人で。代車として出した車が全損くらいになった。本人が「免許を返納したい。 しますから車はいらなくなった」と。

警察は、バス会社からパソコンに入っていたデータや、書類などを押収。事故の実態解明を進めている。
(「イット!」5月8日放送より)

部活の遠征移動中…磐越道でマイクロバスが事故 男子高校生(17)が死亡・26人がケガ バスには北越高校の生徒(5月6日掲載)

この記事の画像(6枚)

5月6日朝、福島県郡山市の磐越自動車道・上り線で、部活で遠征中の北越高校の生徒が乗るマイクロバスなどが絡む事故があり、17歳の生徒が死亡。ケガ人は26人に上っている。

6日午前7時45分ごろ、福島県郡山市熱海町高玉の磐越自動車道・上り線でマイクロバスがクッションドラムに衝突する事故が発生した。

警察や学校などによると、新潟県胎内市の若山哲夫さん(68)が運転するマイクロバスには部活で遠征中だった北越高校の生徒が乗っていたという。

事故の衝撃でバスに乗っていた同乗者が車外に投げ出され、17歳の男子生徒…...続きはこちら

【続報】反対車線まで投げ出された人も…磐越道マイクロバス事故で北越高校の男子生徒(17)が死亡・26人がケガ ソフトテニス部遠征中の事故に「痛恨の極み」(5月6日掲載)

5月6日、磐越自動車道で北越高校のソフトテニス部の部員が乗ったマイクロバスが絡む事故があり17歳の部員が死亡。合わせて26人がケガをしています。

車線から逸れ、ガードレールにぶつかり停車しているマイクロバス。大きく曲がったガードレールがその衝撃の大きさを物語ります。

【記者リポート】「こちらは事故があった磐越自動車道。現在午前10時すぎ、まだ長い渋滞が続いています。事故にあったバスを見てみますと、後ろの窓が完全に割れてしまっているのが分かります」

6日午前8時前、福島県郡山市の磐越自動車道・上り線で…...続きはこちら

【続報・磐越道マイクロバス事故】死亡したのは新潟・北越高校の稲垣尋斗さん(17)と判明(5月6日掲載)

福島県の磐越自動車道で発生したマイクロバスの事故をめぐり、死亡したのは新潟県・北越高校の稲垣尋斗さん(17)と判明した。

5月6日午前8時前、福島県郡山市の磐越自動車道上り線で、マイクロバスがクッションドラムやガードレールに衝突し、さらに後続のワゴン車がガードレールに衝突。

27人が死傷する事故が発生した。(*当初は「マイクロバスに後続のワゴン車が追突」と報じましたが、その後の取材でマイクロバスに追突していないことが分かりました)マイクロバスには新潟県にある北越高校のソフトテニス部員20人が乗って…...続きはこちら

磐越道バス事故 男子高校生(17)の死因は失血死 バスを手配した運行会社「運転手は社員ではない」(5月7日掲載)

5月6日、磐越道で発生した21人が死傷したマイクロバスの事故で死亡したのは北越高校の17歳の男子生徒で、死因は失血死と判明しました。

6日午前7時半ごろ、福島県の磐越道・上り線で北越高校の男子ソフトテニス部の部員20人と運転手の男性1人が乗っていたマイクロバスがガードレールに衝突、その衝撃で折れ曲がったガードレールに後続車が追突し、合わせて21人が死傷しました。

死亡したのは北越高校の稲垣尋斗さん(17)で、死因は失血死と判明しました。また、バスに乗っていた5人が足の骨を折るなどの重傷です。6日夜…...続きはこちら

福島・磐越道バス事故 現場にブレーキ痕なし、バス運転手「曲がり切れなかった」 17歳男子高校生が死亡、20人けが(5月7日掲載)

福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバスの事故をめぐり運転手の男性が「曲がり切れなかった」などと話していることが分かった。

磐越自動車道・磐梯熱海インターチェンジ近くの上り車線では6日、部活で遠征中の高校生を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突。

新潟県の高校生、稲垣尋斗さん(17)が車外に投げ出され、亡くなった。けが人は、計20人にのぼっている。

捜査関係者によると、事故現場にはブレーキをかけたあとが残っておらず、マイクロバスを運転していた若山哲夫さん(68)は、警察に対し、「曲がり…...続きはこちら

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

記者として社会部10年、経済部2年、ソウル支局4年半の経験を持つ編集長を筆頭に、社会部デスク、社会部記者、経済部記者、モスクワ支局長、国際取材部記者、報道番組ディレクター・プロデューサー、バラエティー制作者、元日経新聞記者、元Yahoo!ニュース編集者、元スポーツ紙記者など様々な専門性を持つデスク11人が所属。事件や事故、政治に経済、芸能やスポーツまで、あらゆるニュースを取り扱うプロ集団です。