総合型選抜はまず、多くの大学で英語検定資格や高校の評定平均、活動実績などの書類と共に、志望理由書を提出する。
この書類選考を通過すると、2次試験として面接、小論文、学力試験などが実施されるが、この判定方法で果たして学生は入学後授業について行くことができるのか。
総合型選抜の方が成績が良い
「ついていけると思います。総合型選抜の方が大学で学びたい学問について“フェーズ0”といった前段階を勉強してから受験するので、一般選抜の生徒よりも研究内容に知見があります。むしろアドバンテージがあると言っても良いです。
実際に早稲田大学や東北大学では総合型選抜の学生の方が全体的にGPAが高い(成績が良い)と言われています。
筆記試験がなくても、小論文は知識と論理性、面接やプレゼンテーションは自分の言葉で表現する力が問われるので学力がないと合格しません」

人前で喋ることが苦手な場合はどうだろうか。
「コミュニケーション能力が高くて、行動力もあるアグレッシブなタイプが受かりやすいイメージがあると思いますが、そうとは限りません。
喋りが苦手な子でも質問内容はある程度限られるので対策すれば上達します。
面接官は大学教授で、基本的に1対2か1対3の形式で平均15分程です。3~5問ほど聞かれて、その内容に対して端的に自分の言葉で論理的に答えることができるかが問われます。
印象や表情、声、表現力よりもしっかりと知識を持って自分の意欲を伝えることができるかが大事で、言葉に詰まっても真摯に答えられたら大丈夫です」
提出書類にChatGPTは厳禁
注意が必要なのはChatGPTなどの生成AIの活用法だ。
志望理由書の作成に使用するのはリスクが高いという。
「リサーチに使ったり、面接の練習相手に活用したりするのは良いのですが、提出書類の作成は避けましょう。簡単ですごく良い文章ができるのでアウトプットに使ってしまいがちですが、大学教授にとっては何度も見たことがある文章になってしまうリスクがあります」