「明治維新以来の大改革になる。一歩でも二歩でも着実に前へ進めていきたい」

大阪府の吉村洋文知事がこう言い切る”都構想”。

3度目の挑戦へ向けて動き出しました。

■「8日の議会運営委員会に議案の上程を諮りたい」と横山市長

大阪市の横山英幸市長は5月7日、大阪市を特別区に再編する”都構想”の実現に向けた制度設計を話し合う「法定協議会」の設置議案を、5月15日から始まる市議会に上程すると発表しました。

市議会議員らの反発を受けて一度は見送っていた議案の上程。

5月8日の議会運営委員会で正式に決定し、ついに”都構想”への「一手」が打たれました。

すでに府議会に法定協設置議案を上程している吉村知事は、「まだ可決はされていないわけですから、市議団の、市議会の理解を得られるように進めていきます」と述べるにとどまりました。

■「2度否決されたのに、なぜもう一度?」

前回の統一地方選で”都構想”への挑戦を公約に掲げていないことを理由に、法定協の早期設置に慎重な姿勢を取り続けてきた維新の大阪市議団。

【維新大阪市議団 竹下隆幹事長】「せめて市民との対話をこなしていかないと、私たちも次のステップに出にくい」

「市民への説明を尽くすことが先決」として、市議団は1カ月をかけて大阪市内の全ての区で、タウンミーティングを順次開催しました。

4月に行われた1回目では、肝心の意見交換の前にメディアは退出を求められました。

5月7日に行われた最後のタウンミーティングは初めて「フルオープン」での開催となり、質疑応答の様子が明らかになりました。

出席者からは「なぜ今3度目という大義を」「反対多数の否決で廃案だったはずなのに、結果を守っていただけないのはなぜか」など、「二度否決されたのに、なぜもう一度?」という質問が相次ぎました。

これに対して維新市議団の竹下幹事長は「昔の大阪と今の大阪では全然場面が変わってきているんです。我々は”都構想”を最終的には目指して、大阪の住民の皆さんの生活向上のために考えております」と理解を求めました。

終了後、竹下幹事長は法定協設置への姿勢について、「前向きに変わったのか」と問われると、「多くの方が『中身を、中身を』と。『メリット・デメリットを』とおっしゃるんで、それなら早く設置してほしいのかなと感じています」と語りました。

■「アリバイ作りに付き合ったかな」

一方で、出席した市民は説明と質疑応答あわせて1時間のタウンミーティングについて、厳しい反応を示しました。

【出席者】「全然納得いかへん。質問する時間も短いし、肝心の説明も争点ずらしたような説明だった」

【出席者】「(市議団の)アリバイ作りに付き合ったかな」

そんな声が相次ぎました。

また、街の人からは「タウンミーティングが開かれていることも、”都構想”の内容も知らない」という声も多く聞かれました。

■「組織としてのギスギス感がある」 維新創設者が語る”内部の溝”

タウンミーティングについて、維新の創設者である松井一郎元代表は、自身は参加しなかったものの、「やらざるを得ない、やって当然。公約を変えるのであれば、住民に説明する機会を設けるのは非常に重要」と評価しました。

その上で、維新内部の現状を踏まえタウンミーティングが「溝を埋めるためにも必要だった」と指摘しました。

【維新 松井一郎元代表】「吉村さんが代表だけど、市議会・府議会のメンバーへの途中経過の説明が足りなかったから、組織としてギスギス感があるんじゃないの。

今回は吉村さんも横山さんもタウンミーティングを待った。少しずつ組織としての一体感を取り戻す形を作ってきてるのかなと思う」

その一方で法定協議会の設置には、まだ乗り越えないといけないハードルがあると指摘しました。

【維新 松井一郎元代表】「法定協議会を設置したいというのは横山さんの判断。それを是とするか非とするかは今度は議会の判断ですよ。

議会の皆さんに一緒にやろうよというそこまでの思いを共有してもらえるかは、吉村さん、横山さんがどういうスタンスで挑んでいくかが非常に大きなキーポイント」

■「可決の見通しがあるから提出するわけではない」

横山市長は「100%議案が可決できる見通しになったから提出するという趣旨ではなくて、しっかり議論してもらって可決を目指す」と意気込みを示しました。

議会の反応は…

【維新市議団 竹下幹事長】「タウンミーティングを通して、それぞれ考え方が変わったかもしれないし、変わっていないかもしれないが、みんなが同じ方向を向いていけるように、相談しながらやっていきたい。

知事・市長に対しても、次の議論に向かって共に歩んでいただきたい。『僕はあと知らない』というのはやめてほしい」

一方、公明大阪市議団の西徳人幹事長は「法定協議会の設置についての反対の姿勢は変わらない」と明言しています。

■最短で6月、その先に3回目の住民投票

”都構想”実現に向けたスケジュールは次のとおりです。

・最短で6月までに大阪府・大阪市の両議会で法定協議会の設置議案を審議
・可決されれば、法定協議会で制度案を作成し再度審議
・それも可決されて初めて、3回目の住民投票へ

来年4月に住民投票を行うには、5月議会での設置議案の可決が求められます。

維新の所属議員の中には「法定協の設置議案すら可決されないと思う」と発言する議員もいて、設計図づくりにたどり着けない可能性も指摘されています。

まだ「一枚岩」とは言い切れない状態の維新内部。3度目の住民投票は行われるのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」2026年5月8日放送)

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