自転車の交通違反に反則金が科される「青切符制度」導入から1カ月。福井県内で取材を進めると、制度は周知されつつあるものの、ルールへの理解が広がっていない現状が見えてきた。
自転車の利用が多い10代…違反数も全体の4割占める
4月から始まった自転車の青切符制度は、車と同じように自転車の交通違反にも反則金が科されるもので。違反は反則金が科される項目は▼携帯電話の使用▼一時不停止▼傘さし▼複数台で並んでの走行など113項目に上る。
県警によると、4月の1カ月間で県内で青切符が適用されたのは20件。このうち▼1万2000円の反則金が科される「携帯電話の使用」が18件▼5000円の反則金が科される「一時不停止」が2件で、全体の4割にあたる8人が10代による違反だった。
4月の違反で最も多かったのが「携帯電話の使用」。片手運転になるうえ、視線も画面に集中してしまうため、ふらついていてかなり危険な状態となる。
仮に自転車にスマホホルダーをつけていたとしても、走行中に操作する、画面に集中して前を十分に見られていないなど、安全に運転できていない場合は違反の対象になる。
「知ってはいたけど…」ルール違反していしまう心理
果たして、県民の意識はこの1カ月でどのくらい変わったのだろうか。
「車道を走るようになった。ただ横を車が通るので、トラックと1メートルあるかないかくらいの幅なので風圧もすごくて怖い。道路とかの整備を先にやってほしかった」
「見つかったら終わり。罰金はこたえるので。自分が一番やるのは傘さしかなと思っていたので、気をつけたいと思っている」
「なるべく左側を走るし、一旦停止もなるべく気を付けるようにしている」
運転者の意識は着実に変わりつつあるものの、警察の取り締まりに密着すると、通学路では交差点を通過した多くの高校生が一時不停止による違反で指導・警告を受ける姿が。
「あそこの交差点に一時停止の標識があるんですけど止まっていなかったので声掛けしました。一時停止の違反になるので、今後しないようにしてください。足がついて初めて、止まれだから」(警察官)
指導を受けた生徒は「(違反のことを)知ってはいたけど…指摘されて改めて気付いた」と反省した様子。「法律ができて自分では把握しているつもりだったけど、できていなかったということでもう一回ちゃんと見直したい」と意識を高めていた。
自転車の事故の8割が交通違反
県警の調べでは、違反者の多くの人が青切符制度を知っていたという。
1カ月経って見えてきたのは「分かっているのについついやってしまう」という運転者の心理だった。
ただ、この心理が取り返しのつかない結果を招く可能性がある。
福井県警によると、県内で去年発生した自転車による交通事故は96件で、1人が死亡。約8割が自転車利用者に交通違反があったことが分かっている。
県警はこうした運転者の意識を改善しようと、違反行為を再現した動画を作成し、5月中に県警のXやインスタグラムで発信する。
導入開始から1カ月が経ち一定の効果が見られる一方で「分かっているのに、やってしまう」人が多く見られる現状。自転車の1つの違反が重大な事故につながるという意識を、いかに浸透させられるかが鍵となりそうだ。
