筆記試験だけでは測れない個々の才能や個性を多面的に評価する大学の総合型選抜(旧AO)を導入する大学が急速に増えている。

2024年度入試では、総合型もしくは学校推薦型選抜による入学生が半数以上を占め、一般選抜を上回った。

従来の筆記試験方式とは大きく異なる総合型選抜の特徴と、入試に向けた準備、志望校選びのポイントなどについて、総合型選抜専門塾AOI(アオイ)を運営する株式会社花形の小澤忠代表に話を聞いた。

大学が求める学生像との“マッチング”

「総合型選抜は将来の目標を明確に定め、そのために必要な大学での学びを考えるので就職活動と似ています。

一般選抜が学力を相対順位的に判断する得点方式なのに対して、総合型選抜は大学が求める人物像をもとに書類審査、小論文、面接などを組み合わせて学生の能力を多面的に評価するマッチング入試です」

株式会社花形の小澤忠代表
株式会社花形の小澤忠代表
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合格への第一歩は、大学が提示する「アドミッション・ポリシー(大学が求める学生像)」をまず理解することから始まると小澤代表は話す。

「学力の3要素には、『知識・技能』『思考力・判断力・表現力』『主体性・多様性・協働性』があります総合型選抜ではこの3要素が小論文やプレゼンテーション、面接などで問われるため、それぞれの対策が必要です」

カフェのような空間で自習する受験生(総合型選抜専門塾AOI 渋谷校)
カフェのような空間で自習する受験生(総合型選抜専門塾AOI 渋谷校)

総合型選抜の出願は9月にスタートする。
10~11月にかけて合格が出る大学が多いため、学校推薦型選抜とあわせて「年内入試」とも呼ばれている。

最初の関門となる「志望理由書」の作成にはかなりの時間がかかりそうだが、総合型選抜を目指すタイムリミットはいつ頃なのだろうか。