卓球の元日本代表で、オリンピックでは3大会連続でメダルを獲得した石川佳純さんが、豪雨災害から5年を前に熊本・芦北町を訪問した。

「やめることで後悔するか、しないか」

児童から熱烈な歓迎を受けたのは、卓球元日本代表の石川佳純さん。

この記事の画像(8枚)

石川さんは、ロンドン、リオ、東京と出場したオリンピックでは3大会連続でメダルを獲得し、2023年に引退を発表。現在はスポーツキャスターとして活躍するかたわら、〈これまで応援してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたい〉と全国各地を訪問している。

6月7日は、2020年7月豪雨で甚大な被害が出た熊本・芦北町を訪れ、佐敷小学校の児童たちと交流した。

児童が「卓球をやめてしまいそうになったことはありますか」と尋ねると、石川さんは「7歳からやっているので、やめたくなったことは何度かあるが、苦しい時やうまくいかないときは〈やめることは悪いことではない〉と思っていて、〈やめることで後悔するか、しないか〉で決めたらいいと思う」と話した。交流会の最後には子どもたちと記念撮影をしてハイタッチで見送られた。

参加した児童は「めっちゃうれしい。もう(手を)洗えない。洗わない」や「もう笑顔しかありません!」と話し、石川さんも「子どもたちの元気いっぱいな姿に、わたしも元気をもらったし、こんなに温かく迎えていただいてすごくうれしかった」と話した。

「少しでも楽しい時間を共有出来たら」

児童との交流を終えた後は、現在、住宅などのかさ上げ工事が進められている白石地区や、土石流で3人の犠牲者が出た田川地区などを訪問。芦北町の職員から当時の状況について説明を受けながら復興が進む芦北町に思いを寄せた。

石川さんは「5年たっても復旧工事や元の家に戻れない人がたくさんいると聞いた。少しでも元気を、楽しい時間を共有できたらいいなと思う」と話す。

翌日は、県南地域の卓球クラブなど小・中学生を招待し、卓球教室を開いた石川さん。豪雨災害から7月で5年だが、復興への歩みを進める芦北町に、スポーツを通して元気を届けた。

石川さんは「みなさん本当に大変な思いをされたと思うが、こうして前に進んでいるということを教えてもらって、きょうの卓球教室でも卓球をしている子はもちろん、〈スポーツ楽しいな〉と思ってもらえたら、うれしい」と話した。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。