石川県津幡町出身の幕内力士・欧勝海が、地元・津幡警察署の一日警察署長に就任した。署長室での委嘱状授与から始まり、自転車の交通安全キャンペーンの出発式、そして近くのショッピングセンターでの啓発活動まで、ふるさとの地で精力的に活動した欧勝海。「滅多にこういう一日警察署長とかできないんで、ほんとにいい経験になってますね」と語る一方、2場所連続で負け越している現状とケガを告白し、「来場所は大勝ちして、すぐ幕内に戻れるように頑張っていきます」と力強く復帰を誓った。
「精一杯頑張ります」――署長室での委嘱状授与

津幡警察署の署長室。欧勝海は署長から委嘱状を受け取った。薄青の袴風衣装に赤縁の白帯を締めた姿は堂々たるもので、一日署長の大任にふさわしい風格を漂わせた。
「今日は、一日警察署長として、精一杯頑張ります。よろしくお願いします」

欧勝海は津幡町で生まれ、6歳のころに相撲を始めた。町内の中学校を卒業後、先輩の横綱・大の里関と同じ高校へ進んで角界入りを果たし、去年の九州場所で幕内に昇進した新進気鋭の力士だ。地元での活動とあって、やや緊張の面持ちながらも、誠実な表情で職務に臨んだ。
白バイとパトカーが出動 「エンジン始動!」の号令とともに

委嘱状を受け取った欧勝海は、続いて自転車の交通安全を呼びかける出発式に臨んだ。そして、一日警察署長として署員に訓示した。
「このあと、自転車の取り締まりとキャンペーンに出ていただきますが、どうぞよろしくお願いします。」

訓示を終えると欧勝海の「乗車!」という号令に署員が応じ、「エンジン始動!」の一声とともに白バイとパトカーが取り締まりへ向けて出発した。

思い出の地は「警察署の付近の体育館」…「よく稽古していたので」
出発式を終えた欧勝海は、署の外でインタビューに応じた。一日警察署長となったこの場所は、欧勝海にとって単なる任務の地ではなく、思い出の詰まった場所でもある。
「津幡警察署の近く、そこの総合体育館で、よく稽古してたんで、すごくこのへんが印象深いですね」

幼いころから相撲に打ち込み、地元の総合体育館で汗を流してきた欧勝海にとって、津幡の町は原点そのものだ。そして、穏やかながらも実感のこもった言葉を続けた。
「滅多にこういう一日警察署長とかできないんで、ほんとに、なんて言うんですかね、こう、今も緊張しますし、まあいい経験になってますね。」
ショッピングセンターで子どもたちに交通安全を指導

出発式のあと、欧勝海は、町内にある大型ショッピングセンターへ向かった。ここでも欧勝海は一日警察署長として、積極的に交通安全を呼びかけた。

地元の園児に向けては、横断歩道での正しい渡り方をわかりやすく指導した。
「横断歩道を渡るときは、右手を上げて、右、左、右見てください。分かりましたか」
子どもたちの「はーい」という元気な返事に、欧勝海は「どうぞ」と声をかけながら反射材を手渡した。

続いて、開催前から100人以上集まったファンにも、1人1人にグッズを渡して握手をし、「ヘルメットちゃんと付けてね」と交通安全を呼びかけた。

「千秋楽見てきました」 駆けつけた地元の熱い声援
会場には欧勝海を目当てに集まった地元の町民の姿が多く見られた。地元の公民館で欧勝海を応援しているという女性は、「もう会いたくて待ってました」「もう待ち遠しい」と話し、来場所について「頑張ってほしいです」と声援を送った。

なかには国技館まで足を運んだという人も…「私ね、千秋楽見てきました、国技館で。来場所、巻き返しで頑張ってほしいです。」

ケガを告白、「来場所は大勝ちして幕内に戻る」
と言うのも、欧勝海、夏場所は4勝11敗と大きく負け越しているのだ。このため、来場所は幕内陥落が濃厚な状況。この苦しい局面について、欧勝海は実はケガを抱えていたことを明かした。
「まずはケガを治して、2場所連続、負け越してしまってるんで、しっかり稽古積んで、来場所は、大勝ちして、すぐ幕内に戻れるように頑張っていきます」

ケガの詳細には触れなかったが、2場所連続の負け越しという結果が単純な不振ではなかったことが、この言葉からにじむ。ふるさとのファンが国技館まで足を運んで声援を送り続けている現実が、欧勝海の言葉に重さを与えた。

地元・津幡で一日警察署長という大役を果たしながら、次の目標を力強く宣言した欧勝海。次は土俵での大活躍が期待される。
(石川テレビ)
